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ケップのお話
第三章

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「もうね」
「痩せることは止めて」
「食べた方がいいかも知れないわ」
「折角我慢してるのに」
「けれどその我慢のせいで病院に行きたい?」
「絶対に行きたくないよ」
 それこそと答えたケップでした。
「嫌いだから」
「そう、私も同じよ」
 またこのことをお話する二匹でした。
「だから貴方にも勧めないわ」
「病院に行くことは」
「絶対にね」
「じゃあどうしたものかな」
「もうこれはダイエットを止めるべきよ」
「君が勧めたけれど」
「それでも貴方が病院に行かない為によ」
 ここはというのです。
「もうね」
「おかわりをするべきだね」
「そうして食べましょう」
「わかったわ、じゃあそうするね」
「そういうことでね」
 こうしてでした、ケップはまた食べる様になりました。朝と夕方の御飯もおやつもおかわりをしてでした。
 どんどん食べる様になりました、するとその彼を見てご主人と奥さんは安心した顔になってお話するのでした。
「また食べだしたな」
「そうね」
「あまり食べなくなってどうかって思ったけれど」
「これなら心配いらないわね」
「病院にも連れて行かなくていいな」
「安心ね」 
 こうお話します、そしてケップを病院に連れて行くことはなくなりました。ケップは今度は起きているのでお話を聞いて安心しました。 
 そしてジマイマが犬小屋の方に来た時に笑顔で言いました。
「病院には連れて行かないそうだよ」
「それはよかったわね」
「うん、君のお話を聞いてびっくりしたけれど」
「これで難を逃れたわね」
「本当によかったよ」
 笑顔で言うケップでした。
「病院に行かなくなってね」
「そうね、けれどね」
「けれど」
「いや、不思議ね」
 ここでこんなことを言ったジマイマでした。
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