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地下三階
第一章

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                 地下三階
 豊崎颯水と豊崎利冴は名前からわかる通り双子である。二人共大阪の同じ高校に通っていて当然学園も一緒だ。撮水はアーモンド型の黒目がちの目に細めの黒い眉と色白で少しふっくらとした頬と大きめの口、黒く前を眉の長さで切り揃えた黒髪を胸の辺りまで伸ばしている。利冴は姉よりは頬は細く顔立ちは姉よりは少し大人びた感じで目が特にそうだ。黒髪は切り揃えておらず長さも姉よりは少しだけ短い。二人共背は一五二である。
 二人は双子であるせいかよく一緒にいる、所属しているテニス部でもダブルスを組むがこれがまた、であった。
「外見はよくわかるけれど」
「息ピッタリね」
「もう何ていうか」
「流石双子ね」
 他の部員達は二人の練習や試合を見て言う。
「ジェミニアタック?」
「文字通りのそれね」
「双子が双子であるが故に」
「波長が合うのね」
「うん、昔からね」
「そうなのよね」
 双子自身こう言うのだった。
「何ていうかね」
「もう一人の自分?」
「そんな感じでね」
「生まれた時から一緒なのよ」
「外見はそれぞれ違うけれど」
「お互いの考えもわかるし」
 そうしたことも話すのだった、それで部員達や友人達にも話すのだ。
「こんな感じだから」
「仲もいいのよ」
「彼氏はそれぞれ違うけれど」
「生まれてから喧嘩もしたことないわよ」
「まさにもう一人の自分同士」
「最高のパートナーっていうのね」
 友人達もそんな二人の話を聞いて納得した、とかく二人はいつも一緒で波長も合いお互いの考えもわかるまでの仲であった。
 それでだ、この日も大阪梅田の八条百貨店大阪店に学校帰りに寄った。目的は本屋で雑誌と文房具を買う為である。
 ここでだ、颯水は利冴に言った。本屋を出たところでだ。白い百貨店の中は奇麗で客も多い。二人がよく行く場所で二人のお気に入りでもある。
「後は文房具買って」
「それでよね」 
 利冴も颯水に応える。
「後はどうするか」
「何処に行くかだけれど」
「地下行く?」
 ここで利冴は颯水にこう提案した。
「地下二階に行って」
「あそこの食べもの見るのね」
「そうしない?」
 百貨店の一番下の階は大抵食料品の場所になっていてこの百貨店も同じだ。
「後でね」
「そうね、いいわね」 
 颯水は利冴の提案に笑顔で応えた。
「それじゃあ文房具買ったら」
「ノートとか消しゴムね」
「そういうの買ったらね」
「地下二階に行って」
「食べもの観ましょう」
「一緒にね」
 二人で話してだ、そして文房具の店に行って買うものを買ってだ。エレベーターに乗って地下二階に行こうとした。
 しかしだ、ここでだった。二人はエレベーターのボタンを押すところで。
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