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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第169話 落ちて来るのは?
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せる為に必要だったから。故に蒼穹を飛ばせた。その程度の理由だと思う。そして、其処に聖地を奪回しないから神の怒りにより世界すべてが浮き上がって仕舞うなどと言う訳の分からない論法が付け足された。
 精霊力の暴走程度では今のアルビオンは出来上がらない。そもそも、精霊力の暴走で、北緯五一度、西経〇度の辺りの上空三千メートルの地点で、地上と変わらない生活を営む事など不可能。七月の最高気温の平均がおそらく五度以下。最低気温はマイナス十度程度。あまりにも過酷な環境で、人が暮らして行くには向いていない地域となる。
 しかし、何故かここハルケギニアではその辺りの科学的知識が無効化される現象が起き、むしろ其処は神に祝福された、愛されまくった土地。此の世に現われた桃源郷と言うべき土地となっている。

 他の地域は地球世界に対応する地域と比べてもそれほど変わりない状況だけに、これはかなり異常。何かしらの意図が其処に隠されていると考える方が妥当だと思う。

 世界を混乱に導いているのはロマリア。それも、おそらく教皇。ヤツが自分の目的の為に這い寄る混沌か、名づけざられし者をこの世界に召喚し、その瞬間から、この歪な世界――ハルケギニア世界が誕生した。
 ガリア王家に伝わる伝承の『いと高き男』が教皇聖エイジス三十二世を指すのだと思う。

 こいつが破滅の鍵を開くのか。……だとすると、呼び出されたのは門にして鍵の方だと考える方が妥当か。そう、ある程度の当たりを付ける俺。ましてブリミルの使い魔の内、神の右手ヴィンダールヴの能力や世界扉は門にして鍵の能力と被る部分も多い。
 果たして鶏が先か、卵が先か。

 まぁ、世界の謎は後回しでも問題はない。おそらく、その謎だと思われる部分が這い寄る混沌や名づけざられし者によって歴史が改竄された部分だと思う。
 それよりも優先されるのは……。

「一応、策は三つ考えてあります」


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