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星河の覇皇
第六十三部第二章 円卓その四十六

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「あるのは紛いものです」
「ケルトの神々を信仰していてもな」
「彼等はあらゆる宗教の神々を漫画やゲームのキャラクターにもしますね」
 連合文化の特徴だ、日本からはじまっている。
「そうしたことも」
「しているな、確かに」
「それも我々からは想像も出来ません」
「平民文化でもな」
「ありません」
 エウロパにおいてはだ。
「ダーザ神が美少女になったりしていますね」
「オーディン神がな」
「あれも訳がわかりません」
「日本からはじまったとのことだが」
「日本人の感性も不思議ですね」
「実にな」
 モンサルヴァートは目で首を傾げさせた、首自体は動かしていないが目でそうしたのである。これもまた目の動きの一つだ。
「武士の国というイメージがあるが」
「何かよくわからないものも多いですね」
「あの国に関してはな」
「それはケルトの信仰ではありません」
「ドルイド達もいるがな」
「所詮は連合の宗教です」
 エウロパのそれとは違うというのだ。
「品性がありません」
「どうにもな」
「バチカンを手に入れたとも言っていますが」
 このことにもだ、ビルギストンは言及した。
「それは自分達が思っているだけです」
「そういえばエウロパのカトリックの中で動きがあるな」
「はい、バチカンの復興です」
 それが起ころうとしているというのだ。
「信者達の中から」
「エウロパはエウロパで教皇を置くのだな」
「そうした話が出ています」
 実際にというのだ。
「そしてそれをです」
「政府として援助するのではないな」
「それはありません」
 はっきりとだ、ビルギストンはモンサルヴァートの問いを否定した。
「宗教のことですので」
「政教分離だな」
「この原理は否定出来ません」
「政治の柱となることだからな」
 近代政治のだ、近代政治とは政治と祭事を分けたことにはじまるという一面もある。フランス革命からのことだ。
「それはだな」
「はい、宗教のことなので」
「エウロパ中央政府は関われないな」
「各国政府も」
 こう言うのだった。
「関われません、しかし」
「それでもだな」
「この動きに介入出来ません」
「その介入出来ないというところが重要だな」
「はい」
 思わせぶりな笑みだった。ビルギストンの今の笑みは。
「左様です」
「その運動が大きくなろうとも政府はな」
「止めることが出来ないのです」
「そしてエウロパはエウロパで教皇を立てれば」
「それを追認します」
 それだけだというのだ。
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