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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第四話 災厄に魅入られし少女の着任
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規の提督として着任し、鎮守府を立て直してもらうというわけだ。防空棲姫さんにも艦娘に気づかれないように凰香君の手助けをしてほしい。時雨君は護衛及び補佐だ」
「ええ、最初からそのつもりよ」
「いいわよ。それが私の役目だもの」
「わかってるさ」
「ならいい………比叡」
「はい」

凰香と防空棲姫、そして時雨の言葉を聞いた海原少将が秘書艦である比叡に声をかける。すると比叡が手に持っていたA4サイズの封筒を凰香に渡してきた。凰香はそれを受け取ると、封を開けて中身を確認する。
封筒の中に入っていたのは凰香の身分証明書だった。ただし、名前欄に記されているのは凰香の名前ではない。
凰香が書類を見ていると、海原少将が言った。

「世間では黒夢凰香は未だ行方不明になっている。だから今の君は私の姪『海原黒香』として海軍に登録させてもらった」
「その辺は理解している。あなたの姪っていうのが少々どうかと思うけど」
「そうか?なんなら『血の繋がっていない娘』でもいいんだぞ?」
「却下」

海原少将の言葉をばっさり切り捨てる凰香。『血の繋がっていない』とはいえ海原少将の娘になるなど死んでもごめんだ。
すると時雨が言った。

「……それにしても、よくこんな書類を用意できたね。こんな存在しない人間の身分証明書をさ」
「この仕事を続けていると、望まずとも書類を捏造する技術が身についてしまうのさ。まあ、私はそれを悪用したことはないがな」
「そうか」

海原少将の言葉を聞いた時雨が興味無さそうに返事する。
海原少将はそんな時雨に苦笑いを浮かべた後真剣な表情になって、凰香の背後にいる榛名と夕立に言った。

「……本当にいいのか?あそこの艦娘にとって君達二人は裏切り者だ。君達二人はとりあえず『海原黒香によって建造された艦娘』と処理しているが、正体がバレれば酷い目に遭わされる可能性もある。それでも行くのか?」
「はい。榛名はかつて凰香ちゃん達にとりかえしのつかないことをしてしまいました。でも凰香ちゃんは榛名と夕立ちゃんの命を助けてくれました。だから榛名は誓ったのです。『凰香ちゃん達を絶対に護る』と」
「夕立も同じです」

海原少将の問いに榛名と夕立が真剣な表情で答える。二人の意志は変わらず、凰香についてくるようだ。
すると比叡が申し訳なさそうに言った。

「ごめんね。榛名と夕立ちゃんにこんな辛いことを任せてしまって………」
「気にしないでください比叡お姉様。榛名達が自分で決めたことですから。………それにどうしても確かめたいんです。なぜ金剛お姉様がそこまで酷いことをし続けるのかを」
「夕立も同じです。それにあっちにはまだ時雨ちゃんとか仲間がいるんで
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