暁 〜小説投稿サイト〜
μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第45話 説教
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 












三人はぶつぶつと、俺らに聞こえない声量で何かつぶやいていた。
何に落ち込んでいるか知らないし、誘拐されたとか怯えたとかそんな様子は特に見当たらない。






 しかし、彼女たちは俺たちの苦悩を知らない。
どうやって外に出たのだろうか俺たちは知らない。



 三人を除いたメンバーは、ほっと安心した顔ぶれも居れば、呆れて何も言えない顔ぶれもいる。というか花陽と凛、穂乃果以外は呆れている。


「アンタが”誘拐”だなんて大げさなこと言うから」
「俺のせいかよ。便乗してのっかってきたのはお前らだろう」
「あんなこと言われたらそうなるに決まってるでしょ」


 それもそうだ。
にこに言われてぐうの音も出ず、いまだにおうおうと落ち込んでいる三人はそうとも知らずに、ただひたすら膝を抱えてため息をこぼす。


「ねぇ海未、一体何があったのかしら?」
「絵里ぃ〜助けてくださいー」
「ちょちょっと!?本当にどうしたのよ!?真姫もことりも!?」
「ことりはその名の通り、まだまだことり(・・・)なのです……」
「おかしいわ、私がこんな……」


 この状況はキャラ崩壊という言葉がお似合いであった。
人に滅多にべったりくっつかない海未がうおんうおんとすがりつく光景。ことりの、誰にも伝わりそうもないしょうもないギャグを放つ光景。自分の力を過信し過ぎたお嬢様の項垂れる光景。


……これが、今度のラブライブ!に出場しようとする現在のμ`sの無様な姿である。






〜第45話 説教〜









「で、とりあえず何があったし」



 あのままでは進むにも進めない為、嫌がる三人を無理矢理リビングに連行し、花陽と希が準備してくれた紅茶で一息ついた俺たち。
 ある程度落ち着いたところで、俺は三人に向けて言葉を放つ。
問いかけに若干の間があったが、最初に口を開いたのが海未。

「実は……スランプになりました」
「……あー、えっと、つまりは?」
「……詩が浮かんできません」

海未は最初の頃から作詞を担当してくれていて、今までの曲の大半を彼女が手掛けてきた。


「えっと、ことりは?」
「衣装のイメージが全然わいてこないの」

 ことりも海未同様に初期のころから衣装案から作成に至るまでの過程を担当してくれていた。振付も最初こそ海未と協力して準備してきたが、メンバーの加入に伴い、今は三年生が担当している。



「真姫は?」
「私は別にスランプでも何でもないわよ!ちゃんと進んでたわよ!」
「その割には譜面真っ白にゃ!!」
「ちょっと!どっから持ってきたのよ!!」

真姫
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ