第七話 夜襲の後でその十五
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「それで円地も行かせた」
「二人ずつか」
「それで守らせてるけど山陽と四国も同盟結んでこっちに来てるしな」
「手強いか」
「そんでそこで東海から大軍が来た」
西からだけでなくというのだ。
「僕はそっちに佐藤兄妹と一緒に行くけど北陸も気になるしな」
「八方塞がりやな」
「実際な、それで一番やばいのは東海でな」
「僕は東海の連中にか」
「佐藤兄妹のどっちかは北陸に行ってもらう」
その目を鋭くさせてだ、芥川は中里に自分が考えている軍略を話した。
「そして僕と自分でな」
「東海の連中が来るからか」
「一気に、それも徹底的に戦って勢力弱めてもらう」
「そうするか」
「連中は近江に来る」
この国にというのだ。
「伊勢にも来てるけどそっちには佐藤兄妹のもう一方行かせてな」
「守らせてか」
「僕等二人で近江に来た連中叩く、そして出来たら」
「出来たら?」
「美濃と尾張を取りたい」
この二国をというのだ。
「この二国は駿河と並ぶ東海の中心地や」
「特に尾張やな」
「そや、そこまでやったら連中の勢力はかなり落ちる」
この二国を奪えばというのだ。
「そやからな」
「出来たらか」
「やったるわ、綾乃ちゃんにも出陣頼んでるしな」
彼女にもというのだ。
「そやから神星の三人でな」
「東海攻めるか」
「ああ、ほんま美濃と尾張を取りたい。そうして東海の勢力が落ちたら連中はその衰えた勢力で北陸や関東の連中と対さなあかん様になる」
「窮地に陥るのは連中か」
「うちを攻められる状況やなくなる、山陽と瀬戸内はあの四人やったら大丈夫や」
吉川達ならというのだ。
「守りも上手な連中やしな、特にうちの水軍はこの国で最強や」
「日本でか」
「率いてる吉川もな」
彼もというのだ。
「海や河やったら誰にも負けん」
「その吉川に任せてか」
「ああ、僕等は東海の連中叩くで」
「わかったわ」
「ほなあっちの世界でな」
「また頼むわ」
中里は芥川に微笑んで応えた、そして学園での普通の生活に入った。そこにはこの世界の穏やかな日常があった。
第七話 完
2017・2・22
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