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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
175部分:第十五話 黄忠、思わぬ仕事をするのことその十二
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第十五話 黄忠、思わぬ仕事をするのことその十二

「いいな」
「・・・・・・もうすぐ来るのね」
「そうだ」
 まさにその通りだというのである。
「間も無くだ」
「そして孫権を」
「御前なら確実に仕留められるな」
「ええ」
 男を見ようとはしない。しかし頷いたのは確かだ。
「その通りよ」
「わかっているとは思うが」
 男はこうも言ってきた。
「娘のことはだ」
「ええ、わかっているわ」
 黄忠の言葉が険しいものになった。
「それはね」
「それならだ。外すなよ」
「私が弓を外したことはないわ」
 黄忠はこう返してみせた。
「今まで一度もね」
「では見せてもらおう」
 男は言った。
「それをな」
「わかったわ。それじゃあね」
 こうしてであった。弓がつがえられる。そして遠くを見る。その彼女が見たものとは。
「!!」
 大通りのところにだ。何と娘がいたのだ。関羽によって大きく掲げられている娘のその姿をだ。己の目に確かに見たのである。
「璃々!!」
 それを見てだ。黄忠の表情が一変した。
 顔をはっとしたものにさせてだ。そうしてだった。
 動きを止めた。するとすぐに男の声が来た。
「おい、何をやってるんだ?」
「もうこんなことをする必要はなくなったわ」
「何!?どういうことだ」
「こういうことよ!」
 こう言ってであった。振り向きざまにだ。その拳を繰り出した。
 それで男の頬を思いきり殴り飛ばした。それで吹き飛ばした。
 これで終わりだった。暗殺はしなくて済んだ。黄忠はその孫権が立ち去ったのを見届けてからそのうえで関羽達と会うのであった。
「有り難うございます」
「娘さんのことですか」
「はい、お陰で璃々が助かりました」
 娘の手を持ったうえでの言葉だった。
「本当に」
「いや、貴殿が同じ立場でもそうしたのではないか?」
「そうでしょうね。同じ娘を持つ者同士」
「えっ!?」
 その言葉を聞いてだった。関羽は驚いた声をあげた。
 そしてだ。思わず問い返した。
「今何と」
「そこの赤い髪の娘は」
「鈴々のことなのだ?」
「ええ、随分大きな娘さんね」
 こう言うのである。
「結婚されたのが早かったのね」
「うむ、こう見えても愛紗は随分早熟でな」
「変なことを言うな、私はまだ」
「ふむ、そうだったのか」
「そうだ。そうした経験は一切ないっ」
 顔を赤らめさせて趙雲に抗議する。
「まだだ、そんなことはだ」
「あら、じゃあ一体」
「義姉妹だ」
 そうだというのである。
「私と鈴々はだ」
「そうなのだ」
 そして張飛はよくわからないまま言うのだった。
「愛紗と鈴々は床の中で誓い合った仲なのだ」
「あら」
 それを聞いてだ。黄忠は両手で口元を軽く
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