暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十一話 熱戦 ―エキサイト―
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 ニヤリと笑った疾風はリラを自分の体の前に突き出し、柄の部分を連結した。すると刃が延長され、両端に刃を持つ両剣へと変形する。“アンビデクストラスモード”、リラ第四の変化形態だ。

「両剣ですか、また珍しい変化形態ですね……どうしますか?」

「受けて立つのがお前の務めじゃないのか?」

「ふ……そうですね。それが私達の務めです」

「行っくぜぇえええ!!!」

 疾風はアンビデクストラスモードのリラを振り回し、片手で握る。そのまま回転させながらショウに突っ込んでいった。その後ろに紗那が張り付き、同時に向かっていく……と思いきや、途中で分身を出してシュテルのほうに向かった。それを見たシュテルは瞬時に紗那とその分身に対応することを選択。疾風の方はショウに任せることにした。両剣を武器とした疾風の攻撃は先ほどと間合いや手数に違いがあるので、自身よりも近接戦のプロであるショウの方が適任だと判断したのだ。近接戦の技能において、シュテルはショウに全幅の信頼を置いている。

 そしてこちらは対戦中の二人。二刀流対両剣という、なかなかに面白いカードになっていた。さて、両剣というのは、柄の両端に刃がついている武器だ。そのためいままでのように受け止めて弾いてしまうと、逆方向から柄の反対側についた刃から斬撃が返ってきてしまう。しかも自分が力強く弾けば弾くほど、だ。つまり自分の攻撃の威力や勢いといったものが利用されてしまい、距離を詰められると非常に厄介と言えるだろう。

 とはいえ一歩間違えれば自分の足を切ってしまうような危うい武器であり、本来扱いには槍や薙刀といった武器を使うような技量も必要になってくる。だが疾風にはその技量が身についているようで、それを見事に扱っている。

「まぁ……」

 ショウはボソッと言葉を漏らす。疾風のように一人で珍しい武装ばかりを使いこなすデュエリストは少ないが、ショウにはそれらの武器ひとつずつであればその全てと対戦した経験がある。それ故、両剣の捌き方は心得ていた。両剣は性質上、斬るためには普通の剣よりも大きな円運動が必要になる。勢いを利用して威力を増幅するということは、一度それを止めてしまえば攻撃の威力が激減するということも意味している。また攻撃を返せば別方向から刃が来るという点。それは一見トリッキーな攻撃に思えるが、二刀の時ほど軌道の変化を持たない。加えて移動速度は白刃の騎士の雷切に劣り、斬撃の速さはあの武人に劣っている。捌くことができない理由がない。

 そんな一方。シュテルは紗那の対応をしながら考えていた。

「さて……」

 二人の戦闘にフォローを入れることもできるが、特段その必要性は感じない。どれだけ敵に密着していようが忠告もなく唐突だろうが、今の相方ならば確実によけることができると信じているか
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