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ドリトル先生と悩める画家
第三幕その十一

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「あの人は」
「そう思うと残念だね」
「ベートーベンさんについては」
「その気難しさやプライドの高さのせいでそうしたことになっていたなんて」
「とてもね」
「悲しいことね」
「そう思うよ、僕としてもね」
 本当にというのでした。
「あの人とはお付き合い出来ないかも知れないけれど」
「それでもだね」
「悲しい人だとは思うんだね、先生も」
「あの人については」
「うん、幸せではなかっただろうね」
 ベートーベンの一生はです。
「本当にね、それで太田君はね」
「この研究室に来たいならだね」
「何時でも来ればいい」
「そうだっていうんだね」
「そうだよ」
 太田さんについてはです、先生は笑顔で答えました。
「そう言ったから」
「後は太田さんがどうするか」
「そのことが問題だね」
「あの人自身のだね」
「どうされるかだね」
「そう、スランプはね」
 このことについてもです、先生はまたお話しました。
「やっぱりね」
「自分でだね」
「どうかするかしかない」
「だからだね」
「この研究室に来て先生とお話することも」
「ご自身が決めることなんだね」
「そいうなんだね」
「そう、僕が出来ることは限られているんだ」
 太田さんのことについてはです。
「本当にね」
「難しいね」
「そうだよね」
「出来ることが限られていると」
「どうしても」
「そうなるよね」
「ご本人の問題なら」
 皆も言います。
「それじゃあ僕達もね」
「太田さんが来られても」
「何も出来ないんだね」
「直接的には」
「そうだよ、アドバイスとかは出来ても」
 それでもというのです。
「そこまではね、難しいね」
「だからこそだね」
「どうにか出来ることは少ない」
「何かそう思うとね」
「歯痒いね」
「どうにも」
「スランプはね」
 芸術家のこの問題はとういうのです。
「自分自身のことだから」
「自分自身でどうにかする」
「解決して抜け出るしかないから」
「だからなんだね」
「先生も僕達も強くは出来ない」
「助けさせてもらうにしても」
「そうだよ、ただね」
 ここでこうも言った先生でした。
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