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ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
第2章 魔女のオペレッタ  2024/08 
エピローグT:戦後密談
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ば、ソロプレイや少数人員での戦闘は難易度的に限界が迫ってくる頃合いだ。それに君の、隠しコンテンツに対する情報収集能力は目を見張るものがある。それだけの逸材ならば、多少の周囲との不和は必要経費と割り切れる。これは私からの申し出たものだ。君から望むものがあるならば、私の裁量の許す範囲であれば応じれるように善処しよう。一考の価値はあるのではないか?」


 恐らくこれは、願ってもない機会なのだろう。
 最強の攻略ギルドに鳴り物入りで加入するなど俺には望むべくもない好待遇だ。

 だが、その返答に思考を巡らせる理由もない。
 首を横へ振り、《NO》のボタンを押下して意思を示すと、ヒースクリフは驚く素振りも見せず、結果を静かに受け止める。どう答えても、表情は変わらないように思えるが。


「参考までに、拒否の理由を聞かせて貰えるかな」
「俺が今までこうしてソロでいたのはただの意地だ。それ以上でも、それ以下でもない」
「ヒヨリ君を独力で守ろうとするのが君の意地だとしたら、難儀だな。我々を利用することも出来るのではないか?」
「その言葉は、心底嬉しいよ。………だがな、俺はKoBには行かない。いや、聖竜連合にも、軍にも、攻略組全体にさえ、居場所を求めるべきではなかったんだ」
「………スレイド君、君は何を考えているんだ?」


 今度は、ヒースクリフから問われる。
 得体の知れない者に直面したかのように、まるで全てを慧眼で見抜くかの如き聖騎士様は珍しく僅かに狼狽を覗かせていた。とはいえ、それほど大それた話をするつもりもない。実に単純で呆気ないだけの報告だ。俺がここに足を運んだ理由も、その事をヒースクリフに伝える為という意味合いが大きい。ただ、俺としては然るべきタイミングで言うべきことを言うだけに過ぎない。


「俺は攻略から身を引く。と言っても、最前線での攻略には元から貢献していないようなものだったから然して変わらないだろうけどな」
「これまで君が守り抜いてきた立場を、そう簡単に放棄できるものなのか?」
「しがみついてはいたが、よくよく考えれば執着する理由がもう無い。惰性で続けるには荷が重すぎるし、目の敵にされるのも骨が折れる。………そろそろ潮時だったんだろうな。まあ、聖騎士殿には関係のない話かもしれないが、その席は他の誰かに譲ってやってくれ」
「いや、否定はしないさ。私も元より君自身の意思を尊重するつもりだった」


 始めからあまり期待していなかったのか、それとも他のギルドに加入する可能性が無くなったと察したからか、ヒースクリフは俺を勧誘する意思を霧散させる。


「それとこれは個人的な興味なのだが、攻略の前線から身を引いて君はこれから何を為すのかね?」
「何を為す、か」


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