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ドリトル先生と悩める画家
第二幕その六

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「友人として案内させて頂きます」
「友人、ですか」
「はい、そうです」
「そうですか」
 残念そうに言う日笠さんでした。
「今の私達は」
「それが何か」
「いえ、頑張ります」
 こう返すしかありませんでした。
「そうさせてもらいます」
「頑張るといいますと」
「いえ、私がです」
「そうされるのですか」
「そうします」
「ねえ先生」
 ここでまた皆が言ってきました。
「今のもアウトだからね」
「全然駄目よ」
「今のお言葉もね」
「なってないから」
「またそう言うけれど何がかな」
 わかっていないままのお返事でした。
「だから僕にはわからないよ」
「そうだろうね、先生は」
「もうそれはわかってるから」
「こっちもわかってて言ってるからね」
「覚悟は決めてるからね」
「何十、何百と言おうってね」
 それこそです、動物の皆は先生に言います。そしてです。
 そうしたことをお話しながらです、先生達はゴーギャンの絵だけでなく他の絵も観ていきまいsた。そしてです。
 そうしたお話をしつつです、先生はふとです。
 難しい、そのうえ暗いお顔のお顔で絵を観ている人に気付きました。あちこちの絵を観て回っていますが。
 その人を観てです、先生は言うのでした。
「あの人は何か」
「あれっ、暗いお顔した人いるよ」
「あの人何かな」
「何か悩んでる」
「そんな感じ?」
「ひょっとして」
「悩んでるね」
 また言った先生でした。
「あの人は」
「何やってる人かな」
「色々な絵を観て回ってるけれどね」
「気になるね」
「何をしている人か」
「熱心に観ているね」
 観て回っている絵のどれもです。
「勉強しているみたいに」
「結構若い人だけれどね」
「学生さんかな」
「ひょっとして」
「そうした人かな」
 こう言うのでした、そしてです。
 その人を観るのでした、ですが。日笠さんがここで先生に言いました。どうもこの人はその人に気付いていないみたいです。
「次は彫刻のところに行きますか」
「彫刻ですか」
「はい、彫刻の方に」
「わかりました」
 先生は日笠さんにお顔を向けて言ってきました。
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