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夢値とあれと遊戯王 太陽は絶交日和
レベル8後編 計り知れない
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「比喩とかではなく、本当に天変地異が起きるかもしれないんです。そういうデッキです」
 夢値のその目は、嘘や冗談を言っているものではなかった。
「何を言っているんだ……?」
「まぁ、僕の理論が正しかったらの話ですけどね」
 夢値はデッキをダードに手渡した。
「どういう理論練ったらカードで天変地異起きるんだよ」
 ダードはそう言いながらもデッキを受け取る。
「《幻煌龍(げんおうりゅう) スパイラル》で《おジャマトークン》を攻撃!」
 一方決闘場では、サンサーヴに憑かれた樢の最後の攻撃が必然的に通った。
「じゃあ、ダードさん、そのデッキで挑んで下さい」
「んでなんだ、天変地異を起こしゃいいのか?」
「よく分かりましたね」
 ダードの適当な言葉に、夢値はまっすぐ頷いた。
「マジかよ……」
「さぁさぁ、沓査さんも負けたみたいですし、次はダードさんですよ」
「つくづく思うがお前ホント非情だな」
 ダードは、倒れたまま、樢によって顔に模様を刻まれている沓査(クツサ) (ケン)を一瞥した。
「負けた人はサンサーヴの兵士になるなら、サンサーヴの無力化さえ出来れば多分なんとかなると思いますきっと恐らく。あとそんなことよりデッキのこと考えたいだけですし」
「そういうとこが非情なんだよ」
 それだけ言うとダードはデッキを咥えて樢の元に走った。
「次は俺だ。サンサーヴ」
「ほう。逃げ出す算段でもしてるのかと思ったが……」
 樢は口元を吊り上げた。
「いいだろう、しっかり叩き潰してやる」
「出来るならな!」
 樢とダードがデッキを構えたその瞬間、
 ビュオオォォオォォォ
 割れた窓から大きな風が吹いた。
「っ、なんだ?」
「うううううううう!?」
 樢は顔を顰め体を丸めて耐えているが、ダードは踏ん張った足が少しずつ風に流されそうになっていた。
それは脚力の違いというよりは、ダード個犬に向けて突風が吹いているかのようだった。
 それから数十秒程で、ダードは止まない風に屈してしまい、その体が宙を待った。
「うがぁっ!」
 ダードの体は壁に軽く叩きつけられ、ダードが咥えていたデッキがバラバラと零れ落ちた。
「デッキが!」
 夢値は跳ねるように飛び出すと、うずくまるダードの近くに散らばるカードを拾い集めた。
「ってて、何なんだ一体……」
「ダードさん、カード何枚か下に敷いてますから起き上がる時気を付けて下さいね」
「……あぁ」
 夢値は、起き上がったダードの下からカードをかき集めると、軽くまとめた。
 そんなことをしていると、樢がゆっくりと近づいてくる。
「……ふん、犬では俺の相手が務まらんか」
 樢が突然思い切り蔑む目でダードを見下した。
「なんだと?」
 ダードは樢を睨みつけた。
「この風がその証
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