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ドリトル先生と悩める画家
第一幕その五

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「僕はよくないと思うよ」
「欧州はまだ階級があるからね」
「イギリスは特にそれが強いかな」
「貴族と平民だね」
「その違いはあるね」
「うん、日本はそういうことがかなり希薄だから」
 階級というものがというのです。
「そのこともいいと思うよ」
「あっ、そういえば確かに」
「日本は恋愛に階級は殆ど関係しないね」
「職業とかもね」
「あまり考慮されないね」
「そのことはいいと思うよ。お互いに好きならね」 
 それならというのです。
「それでいいと思うよ」
「結ばれるべきだね」
「ロミオとジュリエットみたいにならないで」
「幸せになるべき」
「そうだっていうんだね」
「僕はそう思っているよ」
 実際にというのです。
「本当にね」
「その通りだよね」
「先生そうしたことはわかってるよね」
「恋愛自体についてはね」
「しっかりした理解も考えもあるね」
「そうしたことはね」
 動物の皆もそれはわかりますが。
「けれどね」
「自分のことにはだからね」
「やれやれだよ」
「私達も気が気でないわ」
「全くだよ」
 こうしたことをお話するのでした、そうしたことをお話しながらです。先生は帰る時間まで論文を書いてお家に帰るとトミーが作った晩御飯を皆と一緒に食べてそれからお風呂に入って歯を磨いてから寝ました。そしてです。
 次の日です、王子が研究室に来て先生に言ってきました。
「先生は美術にも造詣があるよね」
「うん、芸術も学問だからね」
 それでとです、先生は王子に答えました。
「ルネサンスの芸術や江戸時代の日本の浮世絵とかね」
「詳しいよね」
「論文も書いたりしているよ」
「論文を書ける位なら」
 王子は先生の言葉を聞いて頷きました。
「それじゃあお願い出来るかな」
「というと」
「実はこれからこの学園の美術館を回りたいけれど」
「僕にだね」
「うん、ルネサンスや江戸時代のね」
「芸術をだね」
「説明して欲しいんだ」
 こう先生に言うのでした。
「それでお願いに来たんだけれど」
「あっ、丁度今は予定もないから」
 先生は王子に笑顔で応えました。
「それじゃあね」
「今からだね」
「一緒に美術館に行こう」
「それじゃあね」
「皆どうかな」
 先生は今も研究室で一緒にいる動物の皆にも声をかけました。
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