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マイ「艦これ」(みほちん)
第62話<海上の語り部>
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「あれは……そうなのか?」

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マイ「艦これ」「みほちん」
:第62話<海上の語り部>(改)
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 風が出てきて雲が切れた。
はっきりした月明かりの下、鎮守府の港湾内では、今もなお異様な睨み合いが続いていた。

 時々長い髪をかき上げるようにしている深海棲艦。意外と人間らしい仕草を見せる彼女は再び呟くように言った。
「ワカラナイナ」

「は……」
正直もっと強烈な言葉を期待していた。

 ……いや、これは訂正。

 我々は、ネチネチと脅されるのかと待ち構えていたのだ。だから彼女の言葉には逆に拍子抜けした。

 舞鶴は呟くように言った。
「これは敵の作戦なのか?」

「本音かも知れないが」
私も呼応する。呉や神戸も顔を見合わせていた。もしこれが本当に相手の作戦であれば、かなり高度なものだろう。

 混乱しているのは大淀さんも同様だ。月明かりだから分かり難いが、いつものキリッとした雰囲気が失せて半ばオロオロしていた。それは言うことを聞かない第六駆逐隊に翻弄されているという要因もあるだろう。

 これが祥高さんなら落ち着いていたかも知れないが、きっと彼女は、まだ食堂で待機しているのだろう。さっきから姿が見えない。

「だ、だまされません!」
やっぱり比叡だ。お前は特攻隊長だな。

「私がっ……」
何か言いかけた彼女を私は制した。

「待て、北上が何か言っている!」
脹れる彼女に振り返りつつ私は小声で(さと)した。

 夜の港湾内、月夜の海上で(うづくま)っていた北上は顔を上げて深海棲艦に向かって問いかけた。
「あんたさぁ……大井っちなんだろう?」

『ええ!』
多くの艦娘たちが驚く。それは衝撃的な発言だ。
(何となく察していた者も居たようだが)

私もそんな思いと、疑いと半信半疑だった。
「北上?」 (いったい何を言い出すんだ?)

 ……もちろん海の上の深海棲艦の外見は似ても似つかない。ただ彼女が言う通り、漂ってくる雰囲気は何処となく、あの大井かも知れないとも思えた。

それを確認するように舞鶴が聞いてくる。
「あれは……そうなのか?」

「確証はないが大井の夢は何度も見るんだ」
私は応えた。

すると寛代が呟く。
「北上と大井……仲が良い」

それを受けるようにして大淀さんが言う。
「確かに北上さんと大井さんの親密さは艦娘の間でも良く知られています」

すると海の上で腕を組んでいた深海棲艦は、少し身体を動かして、ゆっくりと北上を見下ろした。
「……」

だがその瞳に大きな変化は無かった。

「うーむ」
私は腕を組
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