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レーヴァティン
第五話 神殿でその九

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「そしてその時はだ」
「ああ、確実に倒さないとな」
「生きるか死ぬかだからな」
「ではいいな」
「答えは一つだな」
「今より遥かに強くなりだ」
 そしてというのだ。
「そのうえで魔神と戦う」
「そうすべきだな」
「この世界の何処かにいる、な」
「その何処かさえわからないしな」
「おそらく下に広がる海の何処かにいるとのことだが」
「探し出すことも必要だな」 
 このこともとだ、久志も応えた。
「魔神を」
「やること一杯あるな」
 魔神を倒すにしてもとだ、久志は眉を曇らせて言った。
「これはまた」
「そうだな、実にな」
「魔神を倒すなんて何時だろうな」
「それもわからないがだ」
「それでもな」
「刀剣を抜けたらだ」
 その時はというのだ。
「やるな」
「やるしかないだろうな」
「そうだ、しかしこの世界のことはかなりわかった」
「あちこちに国が一杯あるな」
「群雄割拠でもある」
「じゃああれか?刀剣抜けたらな」
 その時はとだ、ここで久志が言うことはというと。
「どっかの国に兵隊にでも入ってそこで戦うか冒険者になって」
「モンスター達と戦いだな」
「自分を鍛えるべきか?まずは」
「とにかく強くなった方がいいな」
「だよな、やっぱり」
「そうだ、そうしなければだ」
「ここじゃ何も出来ないな」
 久志もここで答えに至った。
「じゃあ何はともあれ戦うか」
「傭兵にしても冒険者にしてもな」
「よし、わかった」
「剣を抜くとだな」
「俺は傭兵なり冒険者になってな」
「戦っていくか」
「この島でな、それで御前はあっちに行くんだな」
 東の島にとだ、久志は英雄に問うた。
「そうだな」
「そのつもりだ」
「じゃあその時はお別れか」
「お互い清々するか」
「ははは、そういえば俺達仲が悪かったな」
「元々はな」
「そういえばそうだった」
 このことは今まで忘れていた、この世界に来てから今に至るまで様々なことがあったからだ。それで彼等の世界ではわりかし重要なこのことを忘れていたのだ。
「俺達はな」
「俺も忘れていた」
「御前もかよ」
「俺は御前のことが好きじゃない」
「俺もだよ」 
 こうは言ってもだ、久志の顔は笑っていた。そしてそれは英雄もだった。
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