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風魔の小次郎 風魔血風録
53部分:第五話 メッセージその十一
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動きを的確に知らせる」
 小龍は呟くようにして告げる。
「陣を組んだ時に相手の動きに合わせて動きな。だがこの小龍のそれはそれに関してはいささか弱くとも兄者のそれとは違った属性がある。それは」
 屋敷の塀のところに目をやる。そこに羽根が数枚あった。白い羽根が。
「相手に付きその所在を知らせる。そう、そこだ!」
 青羽根と赤羽根を数枚ずつ右手から放った。それは的確に白羽根を貫いた。
「うう・・・・・・」
「逃がしはしない。残念だったな」
「見事だ、小龍」
 塀の上に白虎が姿を現わす。胸を貫かれていた。
「このまま去ろうと思ったが」
「急所を狙ったのだがな」
「ちっ、生きてやがるのかよ」
「むざむざやられるつもりはない」
 屈み込みながらもまだ立っていた。
「また会おう・・・・・・」
 こう言い残して姿を消した。だが白虎の敗北は明らかだった。
「項羽と林彪が一時離脱か」
「二人か」
 竜魔と劉鵬は言い合う。
「夜叉は三人。数のうえでは互角だな」
「いや、それはすぐに崩れる」
 しかし小龍は二人に対して言った。
「この小龍が来たからには夜叉八将軍に好き勝手はさせん。一人残らずこの羽根で倒してやる」
「羽根でか」
「そうだ、この小龍の羽根でな」
 兜丸に対しても答える。白虎を退けた小龍は右手に羽根を持っていた。その青い羽根と赤い羽根を。紛れもなく彼の羽根であった。


第五話   完


                  2008・5・4

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