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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第79話 幻想月読
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惨劇が始まる数分前の事である。
喫茶店で暗部組織『アイテム』のメンバーがジュースを飲んでオフの日をなんとなく過ごしていた。
「プールでお色気作戦もダメだったわ」
麦野が机に突っ伏しながら魂でも吐き出したかのように力無く呟いた。

「割と隙が超無さ過ぎるのも考えものですが」
「もう面倒だから既成事実でも作った方が早い気がするのよねー。押し倒すとか?」
「痴女認定......」
「べ、別に痴女じゃないわよ!」
「一応、子供が超居るんですけど」
「チョコれっとだぁ」
フウエイが長椅子に脚をバタバタさせながら嬉しそうにチョコレートパフェを頬張った。
「男なんて単純チンパンだと思ったんだけどね」
「まあ、そこが良かった訳で」
「まあね。あの殺気がこもった目付きが最高」
「あの目で私らの着替えを超覗いていたんじゃ......」
「それはそれでいーんじゃない?私は気にしないし」
「覗いて欲しいくらいだったし」

なぜ超まともなのが居ないんですか?

絹旗がメニュー表を立てながら頭を抱える。
そういえば唯一反論していたあの女性が超懐かしいです

「「!?」」
何かに気付いた滝壺とフウエイが立ち上がって同じビルの屋上に視線を向けた。
「旦那が襲って来たら襲って来たで興奮するけどね。どうしたの?」
「感じた事のない力場」

「パパ?......じゃない」
フウエイが頭を抱えて小刻みに震えていく。
「?」
店内の灯りが突然消えると設置されていたスピーカーからノイズのような音が漏れ出すと猛獣の慟哭にも取れる不協和音が大音量で流れ出した。
「「!?」」
「な、何これ!?」
耳を塞いで音を躱そうとするが空気の爆発の波は皮膚表面の細かな凹凸に侵襲するように指の間から耳に入り脳を揺さぶりはじめる。

「く......う......」
末端から感覚が奪われて座る姿勢を保つのだけでも困難になる始末だ。
首を絞められているかのような人間の身体を無視した音源に机の縁にしがみ付くようにして抗っていると、胸元に付けていた暁派閥のカエルバッチがカタカタを震え出す。
「?」
それに伴って何処からか黒い砂が浮き上がりバッチを持っているメンバーの身体を優しく包み込んだ。
黒い砂は小刻みに震えると甲高い旋律を流し始めて、不協和音を掻き消しだした。
視界は動く砂嵐のようであったが少年のようなシルエットが浮かぶとフウエイは嬉しそうに叫んだ。
「パパだ!」

******

大きなモニターのあるスクランブル交差点ではいつもと変わらぬ学生達の活気に溢れていた。
学校終わりで帰宅を急ぐ者もいれば、仲間と連んで道路に屯している輩も多い。
「今日の授業もたりぃかったな」
「社会の宮本先生ってまたハゲ具合が進んでね?」
「ゲ
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