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風魔の小次郎 風魔血風録
48部分:第五話 メッセージその六
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第五話 メッセージその六

「いやいや姫ちゃん、こんなところで」
「女のことか」
 白虎は彼の寝言からそれを察した。
「呑気なものだな。今から倒されるというのに」
「いやいや、姫ちゃんがそう言うのなら俺は」
「さて、死ね」
 木刀を出してそれを小次郎の顔の上にやる。
「一思いにな」
 そのまま突き殺そうとした。木刀を突き下ろすがそれは寝返りをうった小次郎にあっさりとかわされてしまった。空しく布団を突くだけだった。
「くっ、運のいい奴だ」
「運がいいか」
「むっ!?」
 ここで部屋に誰か入って来た。それは。
「なっ、貴様は!」
「どうした、急に」
「貴様は今は風魔の里に連れて行かれている筈!」
「おいおい、何を言っているんだ」
 見ればそこにいるのは項羽だった。彼が今化けている筈のその男だ。
「俺の顔を見忘れたか?」
「まさか。もう回復したというのか」
「だから何を言っている」
 そのもう一人の項羽は笑って白虎に言葉を返す。
「俺は今来たばかりだぞ」
「何っ!?」
「んっ、何だ!?」
「どうしたんだ今度は」
 反対側の障子が開きそこから風魔の面々がやって来た。白虎にとっては絶体絶命のピンチだった。
「何か兄貴が小次郎を殺そうとしていて俺が里に帰ったとか傷を受けたとか言っているんだ」
「何だ、また項羽の悪ふざけか」
「趣向を変えてきたな」
 林彪と劉鵬は苦笑いを浮かべて言う。
「悪ふざけもいいが大概にしろよ」
「それよりもだ」
 兜丸はここでもう一人の項羽を見るのだった。
「やっと来たな小龍」
「ああ、遅れて済まない」
 来たのは小龍だったのだ。
「少し東北の方に行っていてな」
「何でまた東北の方にまで行っていたんだ?」
 劉鵬はそれを彼に問うてきた。
「林彪と一緒でそれからそっちに何か出て来たそうだが」
「ああ、銀色の髪と目の奴がな」
「やっぱりそいつか」
「どうもあちこちでウロウロしているらしい」
 そう仲間達に語る。
「それで気になって少し調べていた」
「何かわかったか?」 
 竜魔が小龍に問う。
「その銀色の髪と目の奴等のことが」
「いや、結局何もわからなかった」
 小龍は首を横に振って答えた。
「一切な。だが東北の方の忍は壊滅している場所が多い」
「そうか。それはそうと項羽」
「ああ」
 竜魔は今度は白虎に顔を向けたのだった。
「とりあえず今日はもう休むぞ」
「わかった」
「しかし兄貴もな」
 小龍は少し嫌悪を見せて語りだした。
「悪ふざけと総帥への御機嫌取りにかけては相変わらずだな」
「小龍」
 竜魔が今の彼の言葉を咎める。
「実の兄に対して言う言葉ではないな」
「・・・・・・ふん」
 これで話は終わった。だが白虎は
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