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なにも、いらない。
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「お前の未来、欲しくても手に入んねえかもって思ってたけど、今こうして一緒に暮らしてよ……お前のこの先の未来も、お前の人生も俺は手に入れた、って思ってんだ」

「………」

「だから、多分俺に一番欲しいもんってのはもうできねえと思う。だってよ、」



黒崎が向かい合わせになり、コツン、と額をぶつけて、



「お前とこの先死ぬまで、一緒にいるんだからよ。手に入れたも同然だろ?」



そう言って、いたずらに笑った。



「……横暴も甚だしいな」

「うっせえよ」

「…馬鹿黒崎」

「何とでも言えアホ石田」



僕の頬に黒崎の手が掛かり、ゆっくりと口付けた。


数秒し離すと、ぎゅっと抱き締めあった。



「…好きだぜ、石田」

「…知ってる」

「…ずっと一緒だからな」

「………うん」



僕の一番欲しいモノ


黒崎一護の人生



もしかしたら僕はもう既に、手に入れているのかもしれない。



「…黒崎」

「ん?」

「…何でもない」



君が僕の傍に居るのなら



「…どうした、今日は甘えたか?」

「...煩いよ、ばか」



僕は、なにもいらない。



君さえいれば、それで。



END



















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