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マイ「艦これ」(みほちん)
第52話<桃色吉凶>
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「……少しでも艦娘たちの姿っちゅうか」

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マイ「艦これ」「みほちん」
:52話<桃色吉凶>(改)
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 あの大騒ぎの後、夕焼けで真っ赤に染まった西の空。それを反射した埠頭が実に綺麗だ。

 そんな風景がよく見えるガラス張りの入渠設備エントランスロビー。大騒ぎの後片付けや私の作業着への着替えやらで艦娘たちがバタバタやっている。

 申し訳なさそうに鳳翔さんが持ってきた新しい作業着も、なぜか桃色(ピンク)だった。前に着ていたのは、まだ洗濯しているらしい。
結局、サイズがなかったとのことで、大型艦娘用のピンクしかなかったようだ。

 鳳翔さんは何度もスミマセンを連呼する。まぁ艦娘だけの特殊な鎮守府だったからな。備品が偏るのは仕方ない。こっちも、いろいろ我慢しなきゃ。
 とはいえ今は夕日が当たっているからピンクも良く分からない。これが昼の陽の下に出たら全身桃色だから……赤面どころではない。

 祥高さんは駆逐艦娘たちを正座させてガミガミ説教……とても怖い。私も祥高さんには、お説教を喰らわないように気をつけよう。

「あれ?」
 いつの間にか青葉さんがやってきて写真撮って居る。さすが情報通だな。彼女はカメラを構えつつも桃色の私を何度もチラ見している。本当は正面から私を撮影したくてウズウズしているのだろう。でも、止めてくれよな……私も一応、恥ずかしいから。

 そんな中で参謀たちはロビーの椅子に腰掛けて好きなことを言っている。
「まぁ、呉も似たような騒ぎはしょっちゅう起きるんやけど」

「でも、こういう家庭的な雰囲気は個人的には好きですよ」
神戸は褒めているのか社交辞令なのか? よく分からないことをいう。

「……・」
舞鶴は相変わらず、澄まし顔だ。別の意味で心中が複雑化しているようにも見えるが。

 たった一日とはいえ参謀連中は、この特殊な鎮守府に滞在して、かなり艦娘たちに毒されてないか?
だいたい軍隊なんて特異な環境だから。こんな艦娘部隊にいたら、なおさら変になるかも。ちょっと心配だ。

「ひとつ提案やけど」
 呉が言う。

「今日は夕食を、隊員食堂で食べるっちゅうのはどやろ?」

「おぉ!」
神戸が素っとん狂な反応を示す。

「それは素晴らしい作戦です」
それはいったい、どんな「作戦」だよ。

だいたい、この全身桃色の私はどうなるんだ?

「……」
舞鶴は特に何も言わないが、別に反対もしない雰囲気だ。

「司令殿」
呉が、その大柄な体で急に畏まって言う。

「はい?」
思わず作業着姿で構えてしまう私。ピンクの作業着に軍服の参謀が相対して……妙な構図
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