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風魔の小次郎 風魔血風録
38部分:第四話 白い羽根の男その七
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。けれど」
「けれど。どうしたんですか?」
「折角お弁当を作って来たのですが」 
 残念そうにその四角いものを前に出すのだった。
「これを」
「おお、お弁当ですか」
「はい。お握りに玉子焼きに竹の子とフキの煮込みに」
 何気に和食が多い。
「それと唐揚げと。お漬物にデザートも」
「また美味しそうですね」
「姫様は料理が得意なのだ」
 蘭子がこう説明する。
「幼い頃から作ってこられているしな」
「蘭子さんと二人でか」
「ま、まあな」
 項羽の今の言葉には顔を少し赤らめさせる蘭子だった。
「食事いつも作ってくれているしな」
「女なら当然のことだ」
 このことを理由とするのだった。
「料理ができなければ。話にもならない」
「あと洗濯とかもしてるよな」
「私も女だぞ」
 やはり恥ずかしそうに言う。
「それ位できなくてどうするんだ」
「意外といい奥さんになりそうだな」
「そうですよ。蘭子さんって何でもできるんですよ」
 またここで姫子が話に入るのだった。
「お裁縫なんかも得意ですし」
「成程な」
「あとはお掃除も」
「あの、姫様」
 蘭子がやはり恥ずかしそうに姫子に声をかける。
「何ですか、蘭子さん」
「それ以上は」
「お話しては駄目なのですか?」
「あまり。それは」
 やはり恥ずかしそうである。白い顔が赤くなっているのが証拠だ。

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