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オズのアン王女
第十一幕その一

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                 第十一幕  グリンダが語ること
 グリンダが来る日の朝です、アンは朝御飯のデザートの林檎を食べながら同席している大佐に尋ねました。
「グリンダが来たらなのね」
「はい、あの方のお口からです」
 大佐はお食事の時もぴしっとしています、フォークとナイフを折り目正しく使っていて音一つ立てていません。
「お話されます」
「そうなのね」
「あの、ひょっとしてね」
 ここでトトが大佐に尋ねました。
「グリンダさんから語られることがね」
「この国で起こることかしら」
「そうかもね」
 こうアンに言うのでした。
「ひょっとしたら」
「そうかしら」
「今回のことはグリンダさんの予言だからね」
「だったらグリンダさんがわかる」
「ご自身の予言を調べてね」
 そうしてというのです。
「わかるものじゃないかな」
「そうね、言われてみればね」
「グリンダさんが来たらね」
「若しこの国で起こることがカリフ王の来訪でないとしたら」
「その場合はね」
 まさにというのです。
「グリンダさんが来たらわかるよ」
「それじゃあ」
「うん、グリンダさんを待とうね」
「そうするわね」
 アンはトトに林檎を齧りつつ答えました、林檎はこの時も美味しかったです。そして朝御飯を食べた後でした。
 アンは今王宮に来ている皆にです、強い声で言いました。
「では皆いいわね」
「ええ、今からね」
「グリンダさんが来られるから」
 ドロシーに応えて言いました。
「おもてなしをしましょう」
「そうね、何時来るかは」
「はい、九時です」
 大佐が時間のことをお話しました。
「その時間にです」
「カドリングの国からなのね」
「瞬間移動の魔法を使われて」
 所謂ワープの魔法をというのです。
「来られます」
「それはあのベルト?」
 ドロシーは最初にこの国に来た時のことを思い出しました、その時はグリンダがくれたそのベルトでカンサスに帰っています。
「あのベルトで来るの?」
「いえ、ご自身で呪文を唱えられて」
「それでなの」
「来られます」
 このウーガブーの国までというのです。
「そうされます」
「そうなのね」
「ですから」
 それでというのです。
「ベルトではないです」
「わかったわ」
 ドロシーも大佐の説明に納得して頷きました。
「それじゃあね」
「魔法も日進月歩ですからね」
 大尉は腕を組んでこうしたことを言いました。
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