暁 〜小説投稿サイト〜
巫女のホグワーツ入学記
魔法使い? 私は博麗の巫女よ
[2/9]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
って、この世界から姿を消したのだ。

 気がつくと、私は真っ黒な世界にいた。四方八方を見渡しても、暗闇が続くばかり。しかし、暗闇とは言っても目が見えないわけではなかった。少し目線を下ろしてみれば着用している巫女服が見える。知らない内にその場で座り込んでいたため、私はゆっくりと立ち上がる。懐に仕舞われたいくつかのスペルカードの有無を確認し、私は歩き始めた。このまま立ち止まっていても仕方がない。

「それにしても、魔理沙…面倒な本を持ち込んでくれたわねー」

 歩く事にさえ面倒になった私は空を飛び始めた。しかし、いくら進んでも見えるのは暗黒ばかり。下へ行けば地面があるが、それ以外には何も存在しない。

「一体、何なのよこの場所は…冥界でもないようだし?」

 私がつぶやくと、暗黒世界に静かな声が響いてくる。重みのある大人びた声だった。

『魔理沙、また本を盗んだのね。これはいつも私の本を持ち出す罰よ』
「パチュリー?!」

 声の主は、紅魔館の紫色の魔女ーーパチュリー・ノーレッジだった。しかし、一体何処から声を出しているのだろうか。

『今から貴女を”ハリー・ポッター”の世界に封じるわ。これは私の新しく開発した魔法の一つ…物語は7巻まで続くわ。自業自得というわけね。死亡フラグ満載の世界で、楽しんでらっしゃい。あぁそうだわ、貴女がその中に入っている間、幻想郷の時間は進まないから安心しなさい』
「魔理沙…!」

 あのパンダ魔女め。知ってて私に本を開けさせたのか、それともわざとではないのかは分からないが、とりあえず戻ったらボコボコにしてやろうと、私は心から誓う。幻想郷の神様、名前は知らないけど魔理沙をぶっ殺してください。

『この物語は、外の世界のイギリスという国が舞台のお話よ。主人公のハリーが選ばれし者だとか、ヴォルデモートだとか、魔法だとか、ホグワーツだとか…まぁ色々するお話。そうだわ、貴女は見た目が11歳になるけど、力は変わらないから大丈夫よ。劣等生にならずに済む…っと、少し喋りすぎたわ。
 分からない事があるだろうから、ガイドブックみたいなのもつけてあげる。善と悪、傍観者…いくつかの選択があるでしょうけど、自分の好きに進んで頂戴。貴女の選択は、貴女が物語から脱出出来たら紅魔館のメンバーで楽しむから。死んだら死んだで最初からやり直しよ。
 じゃあ、楽しんで…でも気をつけてね』

 パチュリーの声が途切れたかと思えば、辺りの静寂は光によって破られた。地面があった部分が、白い光に包まれたのだ。飛んだ状態のままだったが、私は大きくなっていく光に包まれた。温かい、母親のお腹の中のような優しい感覚だった。物凄く心地が良い世界に抱擁され、この光から出たくないとさえ思えた。しかしそんな幻想は叶う事などなく、私はその物語の世
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ