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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
尾行
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数分の飛行で、3人と1人は洞窟の入り口まで辿り着いた。

ほぼ垂直に切り立った1枚岩の中央に、巨人の(のみ)で穿たれたかの如き四角い穴が開いている。幅も高さも、リーファの背丈の3、4倍はありそうな大きさだ。遠くからはわからなかったが、入り口の周囲は不気味な怪物の彫刻で飾られ、上部中央には一際(ひときわ)大きな悪魔の首が突き出して侵入者を睥睨(へいげい)している。

「……この洞窟、名前はあるの?」

キリトの問いに、リーファは頷きつつ答えた。

「《ルグルー回廊》っていったわ、確か。ルグルーってのが鉱山都市の名前」

「ふぅん。……そういえば、とあるファンタジー映画にこんな展開が……」

ニヤニヤと笑うキリトの顔を、ネザーが横目で睨む。

「《ゲーム・オブ・スローンズ》みたいな展開ではないと思うぞ」

「だよね。……って、あのドラマ見たことあるの!?」

意外な言葉にキリトは仰天した。

ゲーム・オブ・スローンズと言えば、《ジョージ・レイモンド・リチャード・マーティン》著のファンタジー小説シリーズ『氷と炎の歌』を原作としたテレビドラマシリーズ。中世ヨーロッパに類似するがドラゴンや魔法が存在する架空の世界に於いて、多くの登場人物が入り乱れる群像劇。

2011年春から放送が始まり、最新の第7シーズンは、7エピソードで2017年7月16日から放送された。日本ではスター・チャンネルに於いて2013年1月から放送され、第6シーズンからは日米同時放送されている。《ワーナー エンターテイメントジャパン》から第1〜6シーズンのDVD&Blu-rayが発売されている。

キリトもシーズン1の第1話を見て以来、面白くてついつい何度も観賞したものだ。そんな人気ドラマをネザーが見ていたというのは驚きだった。

「映画好きの知り合いに見せられただけだ」

言い訳に聞こえるが、俺の言い分は正しい。

茅場晶彦が所属していた大学の重村研究室の後輩《比嘉(ひが)タケル》とはZECTに入る以前からの知り合い。晶彦と共にいるおかげで多くの人間と知り合ってきたが、その内の1人だったタケルは140近いIQを持つ優秀な男。

だが奴は、無骨なデザインの丸眼鏡に、金髪の短い髪を逆立て、アニメのキャラが描かれたTシャツを着こみ、軽い口調で喋るなど、とても科学者には見えない風貌である。俺の眼から見れば凡庸そのものだ。しかもかなりの映画好きで、SFやアクションといった様々なジャンルの映画や海外ドラマをコレクションしている。暇な時や娯楽時はよく映画を観賞し、俺も付き合わされる羽目に何度も陥ったが__見ていて楽しいと思えたのは確かだった。

少なからず__心の闇を打ち払えたような気分だった。

「お2人さん、行きましょ」

フリーズ
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