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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十五話 将官会議
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れる症状なのだという。治療法は彼に逆らわないこと、冗談としか思えない話だった。皆余りの事にどう判断してよいのか分からず顔を見合わせている。

困惑する中、笑い声が聞こえた。ヴァレンシュタインが可笑しそうに笑っている。
「何が可笑しいのだ、貴官は人の不幸がそんなに可笑しいのか!」
唸るような口調と刺すような視線でロボス元帥が非難した。

「チョコレートを欲しがって泣き喚く幼児と同じ程度のメンタリティしかもたない人物が総司令官の信頼厚い作戦参謀とは……。ジョークなら笑えませんが現実なら笑うしかありませんね」

露骨なまでの侮蔑だった。ロボス元帥の顔が小刻みに震えている。視線で人を殺せるならヴァレンシュタインは瞬殺されていただろう。
「本当に笑えますよ、彼を満足させるために一体どれだけの人間が死ななければならないのかと思うと。本当に不幸なのはその人達ではありませんか?」

ヴァレンシュタインが笑いながらロボス元帥を見た。ロボス元帥は憤怒の形相でヴァレンシュタインは明らかに侮蔑の表情を浮かべている。

ロボス元帥が机を叩くと席を立った。
「会議はこれで終了とする。ご苦労だった」
吐き捨てるように言うとロボス元帥は足早に会議室を出て行った。皆が困惑する中ヴァレンシュタインの笑い声だけが会議室に流れた……。



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