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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第85話:客が帰り祭りが終わると、そこには過酷な現実がある
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(グランバニア城・軍務大臣執務室)
レクルトSIDE

「た、大変です閣下!!」
昨日の夜、やっとホザック一行が帰国の途について平和的日常が戻ってくると思った朝……番兵の一人がピピン閣下の執務室へと血相を変えて飛び込んできた。
嫌な予感しかしないぞ。

「如何した朝から慌てて……」
「ち、地下牢の囚人が2名……居なくなっているのです!」
「……………な、何ぃぃぃぃぃぃぃーーーーー!!!!」
「朝食を持って地下牢へ降りた者が、何処にも見当たらないと報告してきました!」

「だ、脱獄と言う事か!? 一体何時逃げ出したと言うのだ!!??」
「わ、判りませんが昨晩食事を持っていった者の報告では、まだ両名とも居たと報告が上がってます」
じゃぁ昨日の晩から、今日の朝に掛けて逃げ出したって事か?

「それと関係あるか判りませんが、物置代わりに使用してた部屋の鍵も、何かでこじ開けた跡が見受けられるそうです!」
「そ、そこに隠れてるという事は無いのか?」

「いいえ、真っ先にそこは探しまして、20人体制で地下牢を探してる間も、その部屋にだけは3名以上の人間を配置してました!」
「地下牢の入り口を見張っていた兵は何も見てないのか!?」

「はい。昨晩の担当に確認しましたが、何時も通り複数の兵士が行き来してた以外、特に誰かが徘徊してた様子は無かったそうです」
「で、では如何やって逃げ出したのだ?」

「閣下……今は逃げた方法より、陛下と宰相閣下に報告する事が先決では無いでしょうか?」
「……そ、そうだな。レクルトの言う通り、先ずは報告……うん。ウルフ閣下に報告しよう! 閣下は軍に対して好意的でらっしゃるから、今回の件も何とか取り成してくれるやもしれないからな」

そうかなぁ……僕には最悪の情景しか見えてこないけど……

レムルとSIDE END



(グランバニア城・国王執務室)
ピピンSIDE

大変な緊急事態をウルフ宰相に報告すると、彼は顔色一つ変えずに陛下への報告を示唆してきた。
こんな大問題を前にしても落ち着いてる閣下を見て、やはり出来る男は違うのだと感心する。
俺もそうだが、レクルトなど狼狽えるばかり……これでは大物になれないのだな。

「リュカさ〜ん……地下牢の馬鹿2人が逃げちゃった」
「はぁ〜!? 何言ってんのウルフ……何かの冗談?」
……だ、大丈夫なのか? 落ち着いてるを通り越して、他人事のような態度だぞ!

「冗談じゃなくてね、先刻(さっき)渡した報告書に書いた“地下牢の有効利用方法”の中の“要らない鎧等を一時保管する場所にする”の鎧等を盗んで、兵士に化けて逃げ出しちゃった。多分、今頃はホザックの船で外洋に出ちゃってると思うよ。逃げ出したのは最後の見回りを兼ねた夕食配膳
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