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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十五話 ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥が出征します。
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 意識を取り戻したとき、シェーンコップは自分が病室のベッドに横たわっているのを確認した。アーレ・ハイネセンの病棟とそっくりだ。という事は自分は撤退できたのだろうか。
 首を動かしたシェーンコップは、その考えが間違っていたことをすぐに理解した。周りには帝国兵が佇立していたからだ。だが、彼らは遠巻きに立っているだけでこちらが意識を取り戻しても視線を向けようともしない。
「大丈夫ですか?」
不意に近くで女性の声がした。看護師の事務的な声ではないことに違和感を覚えていたが、それでいて妙に聞き覚えのある声だった。ライトブラウンの髪をシニョン風にした女性上級将官が一人、その傍らにはオレンジ色の髪をポニーテールにした女性、そして赤い長い髪をした女性が立っている。
「ここはイゼルローン要塞の病棟です。・・・・ワルター・フォン・シェーンコップ大佐、ですね?」
上級将官は赤い髪の女性にうなずいて見せると、赤い髪の女性は合図をして、周りにいた帝国兵たちを下がらせた。言わずと知れた、フィオーナ、ティアナ、そしてレイン・フェリルが彼の下を訪れていたのである。
「美女に囲まれてベッドに横たわる。うわべだけ見れば王侯貴族も羨ましい光景とはこのことですかな。もっとも、その相手の麗しき美女が帝国軍となればいささか話は変わってくるかもしれませんが。」
こんな状況であったけれども、ワルター・フォン・シェーンコップは彼らしい皮肉交じりの言動を辞めようとはしなかった。
「フィオ。別にあなたがシェーンコップと話をしたいんなら止めはしないけれど、案外無駄かもしれないわよ。この人が自分から胸襟を割って話そうとする人なんて、ヤン・ウェンリーくらいだもの。後はローゼンリッター連隊くらいでしょ。」
「それはそうかもしれないけれど、でも、一度話をしてみたかったの。」
「そちらのお嬢さんのいう事は正しい。」
シェーンコップがにやりとする。
「私は話したいときに話をする性分でしてね。いささか喉に支障をきたしておるので。」
そう言うと、ワザとらしい咳払いをする。
「それでも、私は聞きたいのです。あなたが話してくれる限りで結構です。たとえ、それがわずかな物であっても・・・・。」
相手の真摯な表情にわずかながらシェーンコップの表情が変わった。
「冗談はさておき、小官がそもそも話をするなどとあなたはおもっているのですかな。」
「軍機を聞きたいわけではありません。話していただきたいんです。・・・・自由惑星同盟で・・・いいえ、正確には周りのコミュニティから、あなたたち帝国からの亡命者がどんな扱いを受けているのか。」
「それを宣伝するわけですかな?帝国からの亡命者が反徒共に虐待されていると。そうすれば亡命者が減る。そんな風に考えていらっしゃるわけだ。」
「違います!・・・そんなことは・・・考え
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