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オズのアン王女
第九幕その十三

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「その黄金の林檎をご馳走するわ」
「そうだったね」
「カリフ王にも以前ご馳走したわね」
「あれは最高だったね」
 前に国賓としてお邪魔した時のことをです、カリフ王は思い出して笑顔になりました。
「美味しかったよ」
「それでなのよ」
「今回もかい」
「ご馳走させてもらうわわ、そしてね」 
 ここで、です。アンはです。ドロシーもジョージ達も見回して言いました。
「貴方達にもね」
「えっ、僕達にもですか」
「言い遅れていたけれど」
 それでもというのです。
「ウーガブーの国ではそうした決まりだから」
「国賓には黄金の林檎をご馳走することが」
「だからね」
「僕達にもですか」
「ご馳走させてもらうわ」
「それじゃあ」
 こうしてでした、皆も黄金の林檎を食べられることがわかりました。皆そのことを聞いて飛び上がらんばかりに喜んでいます。
「まさかね」
「僕達も黄金の林檎を食べられるなんて」
「思わなかったよ」
 まずはジョージ、神宝、カルロスの三人が言いました。
「一体どんな味なのか」
「楽しみだね」
「そうだよね」
「神話や童話には出て来るけれど」
「オズの国にもあって」
 ナターシャと恵梨香も言います、次は女の子二人でした。
「その林檎が遂に」
「私達のお口にもなのね」
「本当に凄く美味しいから」
 ドロシーがその五人に言いました。
「楽しみにしていてね」
「はい、わかりました」
「それじゃあです」
「その黄金の林檎を食べる時」
「その時を楽しみにしてます」
「そうしています」
「今晩よ」
 アンはその時間について皆に言いました。
「今晩楽しみにしていてね」
「わかりました」
「さて、では食べた後は遊ぼうか」
 カリフ王はあらためてです、皆ににこりと笑ってこうも言いました。
「そうしようか」
「それがいいね」 
 トトがカリフ王に応えました。
「食べた後は皆でね」
「そうして楽しもう」
 笑顔で応えてです、そのうえで。
 皆は黄金の林檎を食べる時を楽しみにしつつです、今の食事を楽しむのでした。デザートの果物までも。
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