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レーヴァティン
第二話 異世界その七

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「こちらにする」
「俺もな」
「貴様はフェシングだからだな」
「こっち以外ないな」
 西洋の剣を手にして言った、巨大なトゥーハンドソードを使う彼にしてはいささか物足りない重さと長さだった。
 しかしその剣を手にしてだ、彼は言った。
「やっぱりな」
「そうだな」
「しかしな」
「これしかないからだな」
「これでいいさ」
 笑って言うのだった。
「そうする」
「申し訳ないですが」
 神父は久志に言ってきた。
「剣は」
「いえいえ、これでです」
「充分ですか」
「俺達正直大したことはないですが」
「剣があるとですか」
「また違います」
 だからだというのだ。
「武器があるのとないのとで」
「そう言われますか」
「はい、ですから」
「そういえばです」
 ここでだ、神父は思い出した様になって二人に言った。久志だけでなく。
「お二方の腕をまだ」
「ああ、そういえばそうですね」
「見ていませんが」
「ちょっと見て頂けますか」
「宜しければ。私もです」
 神父は二人にこうも言ってきた。
「実は剣術が好きで」
「そうなんですか」
「剣術を見せて頂ければ」
 それで、というのだ。
「ある程度の腕前はわかります」
「そうですか、じゃあ」
「外で見せてくれますか」
「そうして下さい」
「では」
 久志だけでなく英雄も外に出てだ、そのうえで。
 二人は神父に貰った剣そして刀を彼等の剣術で振って見せた。すると神父は二人に対して落ち着いた顔で言った。
「その剣術なら大丈夫です」
「そうですか」
「はい、何の心配もいりません」
 こう久志に言った。
「ご安心下さい」
「それならいいですが」
「俺は最初からわかっていた」
 英雄は至って落ち着いている顔だった、その顔で言ったのだ。
「刀さえあればだ」
「大丈夫だと」
「その辺りのならず者なぞだ」
 それこそというのだ。
「刀さえあればだ」
「相手ではない」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
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