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Fate/inferno
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ある本があった。
その本は確かに古びてはいるものの、なんの変哲もない本である。『誰かの為の物語(ナサーリーライム)』のように英霊になるには、とても伝説や信仰など足りない代物だ。
まさかそれが英霊になろうとは誰も想像しえなかっただろう。

***

「…ええ、はい、分かりました」
「ちょっと!まだ書類できてないの!?」
「すいませーん。コピー機の紙がないんだけどー」
そういった業務などの話し声が飛び交う中、部屋の隅でパソコンの画面に食い付く女性…
「駄目だ…パソコンの使い方がまったくわからない…」
…アルマ・ライネスが社会人が言ってはならない言葉を呟いていた。
「やっぱ、魔術師が現代社会に溶け込むには無理があったかなぁ…」
そう、魔術師である。ライネス家はそれ程、名が知れ渡っているわけではないが、ある程度優秀な魔術師を出している。アルマも優秀な魔術師なのだが…
「やっぱ魔術師の子は魔術師なのかなぁ…。家出をなんてするべきじゃなかった…」
そう、家出したのだ。このアルマはとても魔術師らしからぬ軽い性格で、己の師である両親の制止も聞かず、魔術師を辞め社会人デビューしようとしていた…
「おい!」
「は、はひ!?」
いきなり後ろから怒鳴られ、慌てて攻撃魔術を編成しようとしたが、それよりも早く
「いい加減パソコン操作を覚えたらどうだ!一向に仕事が終わっとらんではないか!」
「あ…はいぃ…すいません…」
上司に怒鳴られた事に気付き、編成を中断して謝り出した。
「右手のタトゥーもなんだ!ふん、まぁいい。ほら、これ」
「なんですか?これ」
「次の仕事だ」
問答無用で渡され、アルマはデスクに沈んだ。

帰宅後、アルマはベッドである本を読んでいた。魔術書でもなんでもないただの本である。小さい頃からずっと繰り返し読んでいる大切な本。彼女はそれを閉じると、地下の工房に向かった。
「それにしても魔術師を辞めるために魔術師の闘争に加わる事になるなんてね〜」
彼女の右手には赤く光る令呪があった。
「それより聖遺物はどうしよう…私、それっぽいの持ってないし、親に頼むのはなぁ…お前なんぞ知らん!って言って追い返されそう。最悪殺されかねないしなぁ…」
聖遺物を使えば、呼び出す英霊をかなり限定できるが、彼女は聖遺物を所持していない。
「まぁ、なんとかなるでしょう!この本使って何か凄いの呼べないかなぁ。迷ってても仕方ないか!やってみよう!」
そして、アルマは召喚を開始した。

***

召喚は成功した。何故あのただの本で召喚できたのかは、彼女には定かではないがひとまずは召喚できたらしい。召喚した英霊を確認しようと、近寄ろうとしたがその前に
「やっと会えたね!お姉ちゃん!!」
幼女が抱きついてきた。
「え、ええ?えええええ
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