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決して折れない絆の悪魔
バルバトスと天使
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珍しく自分から行くという意志を見せるミカに一夏は少し驚きつつ先発をミカへと譲った。ミカはカタパルトの前へと来ると兜のような装飾がされた指輪を取り出して指に嵌めた、そして囁くように

「―――起きろ、バルバトス」

名を告げた。そして瞬時にミカの身体を機械の肉体が包み込んでいく。バルバトス、ソロモン72柱の魔神の1柱、悪魔の名を冠する物へと三日月が成っていく。白いボディに刻まれたマークは決して散らない鉄の華、黄色く輝く兜は相手への威圧と死を象徴している。背中に背負った巨大な武器二つは人で成らざる物を狩る為に準備されたような物に見える。

「全身装甲型!?これはまた珍しいタイプですね!」
「ミカ存分にやって来い」
「うん、行って来るよ母さん」

カタパルトへと足を乗せようとした時オルガが声を張り上げた。それに足を止める三日月は頭部装甲を開放してそちらを見た、そこには笑っているオルガがいた。そして指を立てて口を開く。

「やってこい。未来院を侮辱したアマに、いっちょかまして来い。頼むぜミカァ!」
「任せてオルガ」

その声に従う。自分はいつだってオルガの期待、言葉に応えて来た。これからだってそうする。否、未来院の皆の期待全部にだって答えてみせる。愛情を、家族をくれた院長の為にも。

「んじゃバルバトス、未来 三日月。出るよ」

火花を掻き立てながら高速で動くカタパルト、唸りと振動が機体を通して体に直接響いてくる。

―――否、俺はIS《バルバトス》だ、IS《バルバトス》は俺だ。

そう自己暗示をかけるようにしながらも身体は進んでいく、そして勢いよく放り出されるように射出されると身体はふわりと浮遊した。勢いのままどこまでも飛んでいけそうな気もするけど無意識にブレーキを掛けつつ停止すると対戦相手であるセシリア・オルコットが鼻を鳴らしてISを纏っていた。

「逃げずに出ていらっしゃいましたか」
「悪いね、待たせて」

青鮮やかな機体色、網膜に直接データが映し出されているように敵影の情報が反映される。『ブルー・ティアーズ』、自分と同じく大型の武器を持っているのは親近感を感じる。

「最後のチャンスを差し上げますわ、今すぐに棄権しなさい。そうすれば先日の無礼はある程度許してあげても宜しくてよ?」
「何それそれでチャンスのつもり?言っとくけど―――俺は、アンタより強い」
「減らず口を……!!ならば、調教して差し上げますわ!!!」

試合開始のブザーが鳴り響いた。開始と同時にセシリアは先制攻撃を仕掛けて来た、レーザーライフルを構えて頭部目掛けて放って来た。だがミカはそれを一切避けずに左腕で弾くように払った。

「な、なんですって!?」
「それ、攻撃してるつもり?」

一気にバーニアを吹かしな
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