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星河の覇皇
第六十二部第四章 選挙前日その十三
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「だから誰もがほぼ同じ教育を受けている」
「資産の違いがあっても」
「階級の違いはないのですね」
「貴族には貴族の教育がある」
 やはり貴族主義から言うカミュだった。
「人の上に立ち、教え導くな」
「それが優秀な人材を育てていますが」
「連合ではそれがありませんね」
「人を指導する者を育てない」
「そうなのですね」
「誰でも年齢を重ねるかすれば昇進する」
 このこともだ、エウロパではこうなるのだった。
「しかしそれはだ」
「それは、ですね」
「とても」
「無能な人材、つまり指導者になるべきでない人材がだ」
「指導者になる」
「そうなるのですね」
「誰でも士官学校か大学に入れてだ」
 そして、というのだ。
「軍にも普通に入られる」
「ただの就職口としてですね」
「軍も考えられていますね」
「だから軍の士官も凡庸なものばかりと聞いている」
 カミュは生粋の文民それも代々の政治家の家であるので軍のことには知識が深くないのである。しかしこれ位は知っているのだ。
 それでだ、こうも言うのだった。
「誰もが指導者になれる、それはだ」
「かえってですね」
「無能な。ただ年齢を重ねただけの者が指導者にもなる」
「若しくはテストだけでそうした立場になった者がそうなる」
「高貴なる者の教育を受けていない者が」
「群衆が群衆を動かすのだ」
 これがエウロパから見たサハラだ。
「それではだ」
「相手ではない」
「そういうことですね」
「何ということはない」
 やはりこう言うのだった。
「連合には十分の一の数でもだ」
「渡り合える」
「そういうことですね」
「無論多いに越したことはないがな」
 それでもだというのだ。
「連合は数だけを考えればいい」
「その他はですね」
「特には」
「そうなる、しかしその数が問題だ」
 カミュは連合を蔑視している、しかし彼は愚かではない。それで連合を侮ってもいない。だからこうも言うのだ。
「数は力だ」
「だからこそ連合は強い」
「数だけでも」
「その数には何としても数で対さないとならないからには」
「数を揃える」
「何があろうとも」
「そうしなければならない、人口と国力の増加は急務になる」
 これからのエウロパにとっては、というのだ。
「連合以上のそれがな」
「連合は放っておいても増えますが」
「鼠の様に」
 まさに、というのだ。
「しかし我々もですね」
「増えなければならない」
「新天地を手に入れたなら」
「そうなればですね」
「そうだ、忙しくなる」
 その人口増加、国力振興政策にというのだ。
「何かとな」
「人口に国力もですか」
「飛躍的に増加させますか」
「新天地を手に入れた後で」
「その後は」
「無論エウ
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