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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第九話 緊張 ―テンション―
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「……なんかごめんな、色々と……」

「いえ……」

 と、頭を抱える疾風と少々困ったような少年と少女、そしてようやく落ち着きを取り戻しつつある紗那。なぜこのようなカオスな空間になったのか……説明するとしよう。

 あの後アズールにやってきた四人はお互いに自己紹介をし、それぞれ少女の名が“シュテル・スタークス”、少年の方の名が“夜月(やづき) (しょう)”であることを知った。当初はロケテスト第一位の少女が目の前にいるということで緊張していた紗那だったのだが、疾風の助けもあって自分がシュテルに対してどのような感情を持っていたのか、伝えることができた。が、その後が大変だったのだ。

 話の流れで“漆黒の剣士”の話題になり、その人物を探しているのだと伝えたまでは良かったのだが……なんと、そのシュテルの隣にいたショウこそが紗那が探し続けてきた漆黒の剣士であったのだ。その証拠に彼のアバターカードを見せてもらい、真実だと判明し……あまりの偶然に、紗那がオーバーヒートしてしまったのだ。その後飲み物を買いに行ったり実際に飲んだりして、ようやく紗那が落ち着き……というか意識を取り戻し始め、今に至る。

「……悪く思わんでくれ。内気ではあるんだが、普段はここまでの奴じゃないんだ……」

「……ごめんなさ、い。いろいろ驚かせちゃっ、て」

「いえ、それはもう大丈夫ですから。もうお気になさらないでください」

 しゅーん、と落ち込んでいる紗那に声をかけるシュテル。ショウの方も言葉にこそ出さないが、もう気にしたような様子はない。が、紗那は立ち直れずにいた。……まぁそれはそうであろう、目の前に何の前触れもなくずっと探していた憧れの人物が現れれば仰天するというものだ。しかも二人とも同時にである。はしゃぐとかの以前に固まるのは納得できるであろう。

「でも……」

「紗那、ありがたく受け取っとこうぜ。たぶん無限ループになるから」

「……そう……だね」

 さらに食い下がろうとした紗那だったが、疾風に止められてようやく納得したらしく小さく頷いた。それが伝わったようで、相手からも心なしかホッとしたような雰囲気を感じられる。それを見届けて疾風も安心し、改めて、と向かいの二人に向き直った。

「……それにしても、二人はなんでわざわざ山彦まで? 本場の海鳴の方が腕自慢は多いだろうに」

「確かに海鳴市はブレイブデュエルの発祥の地ですのでβテスト参加者も多く、各ショップのデュエリストも実力者揃いです。ですがそれが海鳴市以外に実力者がいないという理由にはなりません」

「なるほど、それもそうか。じゃあ、なんで?」

「ここに来た理由は……少々確認したいことがありましたので。まあ単純に修行というのもあるのですが」

「「修行?」」

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