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第八十二話 要塞対要塞です。
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全く突然にそれは来襲した。時空震による揺らめきが数千、数万、いや数十万キロにわたって起こったのち、その物体は静かにイゼルローン要塞の前面に現れたのである。一切音がしないだけにかえって凄みがあったかもしれない。


帝国軍 イゼルローン要塞 司令部――。
要塞内部は鼎が沸いたような状況だった。予期していたとはいえ実際にこうして大物が目の前に襲来すると、人々はうろたえてしまう。それでも各指揮官の叱咤激励のもと、兵士たちはパニック寸前になりながらも、何とか自分の部署に張り付き始めていた。
「状況はどうなっている!?」
要塞防御指揮官兼空戦部隊統括指揮官であるケンプが部下に怒鳴った。
「ハッ!!回廊内に出現した敵要塞は、直径100キロ、質量110兆トン!移動可能な内部エンジンを搭載し、その周囲には早くも要塞艦隊が展開しつつあります!!また、内部には非常に強力なエネルギー反応!!イゼルローン要塞トールハンマークラス以上の要塞主砲が存在すると思われます!!」
「化け物め・・!!」
ケンプは臍をかんだ。が、彼はすぐに帝都オーディンにこの状況を知らせるべく緊急打電をするように指令していた。
「ケンプ中将。」
澄んだ声がした。ケンプが立ち上がり、近寄ってきたフィオーナに敬礼した。カール・グスタフ・ケンプはイゼルローン要塞の要塞防御指揮官として赴任すると同時に中将に昇進している。彼にとって昇進は嬉しくないはずはないのだが、与えられた責任の重さを双肩にひしひしと感じているところだった。それが敵要塞の登場で一層重みを増して彼の肩にのしかかってきていた。
「ごらんのとおりです。やはり同盟はこの回廊に要塞を派遣してきましたな。幸い・・・。」
ケンプは目の前のスクリーンに向き直った。
「幸い、双方の要塞との間にはまだ距離はありますが、いつ戦端が開かれるかもしれません。」
「そうなればなったで、私たちの方も応戦するだけです。」
「よろしいのですか?」
「敵が攻めてくれば応戦し、そうでなければここでにらみ合う。要するにこちらとしては防戦をしていればいいわけですから。それが今回の戦略方針ですもの。」
フィオーナはにっこりした。緊迫した状況にもかかわらず、その笑顔を見るとケンプはほっとするのを感じていた。やはりフロイレイン・フィオーナは人を引き付ける魅力がある。この人がミュラーと一緒になって良かったとケンプは場違いな感想を持っていた。
「では、当方としては敵の出方を見るにとどめる方針を継続しますが、駐留艦隊はいつでも出撃できる体制を維持されておかれる、という前提で臨戦態勢を進めてよろしいですか?」
「結構です。」
現在要塞艦隊には、フィオーナ艦隊14500隻が駐留し、ロイエンタール艦隊14500隻、ミッターマイヤー艦隊14500隻、ティアナ艦隊14500
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