暁 〜小説投稿サイト〜
ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
48部分:雷帝その一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

雷帝その一

                     雷帝
 ダーナの傭兵達も加え十万に達した解放軍は再びフリージ家の勢力圏であるメルゲンへ向けて南進を開始した。対するフリージはブルーム王の長子であり卓越した軍略と絶大な魔力で知られるイシュトー王子を総司令として迎え撃たんとしていた。遂にシアルフィとフリージ、両家の戦いの幕が開かんとしていた。
−メルゲン城ー
 レンスター西端に位置するメルゲンは北にイザーク、東にアルスター、南にターラ、そして西にはミレトスをひかえた要地でありレンスターの玄関として知られている。中心地であるメルゲン城はイシュトー王子の居城でもありイシュトー王子の手により城壁は高く濠は深く広い堅城となっていた。そこに今イシュトーは八万の兵と共にいた。
「そうか、やはりトラバント王は兵を進めるつもりか」
 質素だが決してみすぼらしくはない会議室で樫の木で作られた大きな卓を前にイシュトーは呟いた。卓の上にはメルゲン城とその周辺の地図が置かれている。
「ターラが独立の動きを見せたのを口実にあの一帯を我が物にするつもりでしょう。あの男の考えそうな事です」
 緑の鎧の下にやや丈の長い白い服に黒ズボンとブーツ、紅のマントを羽織った長身の女騎士が低めの美しい声で言った。灰色の切り揃えられた短い髪に黒い瞳の美しい顔立ちをしている。フリージの聖騎士でイシュトーの部下であるアマルダである。剣術と馬術に秀で杖の使い手としても知られている。
「まさかトラバント王自ら出陣して来るとは思えないがあの竜騎士団相手だ。二万程送っておいた方が良いな」
 メルゲンに置いていた駒のうち四分の一程をターラへ置いた。
「二万あればターラのリノアン公女も独立しようなどと思わないだろうしトラキア王も兵を退く筈だ。将は・・・イリオス、頼むぞ」
「了解しました」
 緑の髪に黒い瞳の締まった顔付きのやや小柄な男がフリージ式の敬礼をした。赤がかった紫の軍服に白いズボン、淡い赤のマントとブーツを身に着けている。剣と魔法、特に雷系の魔法の使い手として知られているマージナイトである。
「残った六万の兵でシアルフィ軍を迎え撃つ。兵力で差を開けられている、アルスターから援軍が来るまで防護に徹するぞ。ライザ」
「はい」
 短めの赤髪に紅の瞳の美しい女性が敬礼した。黒い帽子と丈の長い服と赤いズボン、同じく赤のマントとブーツといったいでたちである。マージファイターでイシュトーの腹心として知られている。
「そなたは第一陣を率い橋頭堡を築け」
「了解」
「第二陣は・・・オルエン」
「はい」
 短く切り揃えた青がかった黒髪に黒い瞳の美しい少女が敬礼した。小さめの身体を青い軍服と白ズボン、赤いマントとブーツで包んでいる。フリージにその人在り、と言われる名将ラインハルト将軍
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ