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堕天少女と中二病少年
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「よくぞ我を見つけたな、堕天使」
「いや……今回は勝手に湧丞の方から来ただけでしょ」

 カッコイイ我の台詞を、堕天使はクールに切り落とす。無論彼女のツッコミはもっともなのであまり言い返せる余地はない……。

 知人の救い(サポート)を求めて(拠点)から動き出した我は、最終的に堕天使が住むマンションへ赴いたのであった。つい先刻中に入れてもらうのに成功し、今は玄関にて堕天使と立ち話をしている。

「ノリが悪いな。せっかく我が直々に赴いてやったというのに。こんなことは珍しいぞ?」
「顔面蒼白で押しかけてきたくせに」

 というか、これ以上堕天使に正論を唱えられたら黒騎士としての面目が丸潰れだ。なんとかせねばと我は頭をひねって渾身の返しを繋ぐ。ついでに事情説明(プラスオプション)込みで。

「つ、次々と痛い点をつくのはよせ。こちとら窮地に陥っていてな、そいつを打開すべく知人の力を借りることにしたのだ。ただ、奴らが揃いも揃って我の頼みを断るものだから、やむを得ずお前のところへだなぁ……」
「え、湧丞って他に友達いたの?」
「ぐぬぬっっ!」

 すると今度はきょとんとした様子で、堕天使が率直な質問をぶつけてきた。またもや痛い点である。滅茶苦茶不本意だが、もう潔く挽回を諦めた方がよさそうだ。

「あぁ、比較的たくさんいる。しかし我が黒騎士となって以来、何故だか奴らはよそよそしくなって……あ、例外(・・)はいなくもないか。とにかくだ、どいつもこいつも我と距離を置きたげな態度をとる。今日奴らの住みかを回った際もそうだ。基本どいつもこいつも引きつった作り笑いをしては、我の頼みをやんわりと――それでいてどこか『突き放す』ように拒否したのだ」
「っ……」

 嘆息しながらそう回答したら――ブワッと気まずい温度が生じた気がした。我はハッと気付き、片手で口を塞ぐ。

「……い、今の質問はちょっと野暮だったわね」
「おっ? そうか、クク……さては我に気を遣っているな?」

 失態だ。うっかり不要な部分まで口にしてしまった。案の定、堕天使は肩を竦めている。「しまった」とでも思っているのか? そんな思いをさせるつもりは毛頭なかったのに。堕天使を、我のつまらぬ私情に巻き込むのは心が痛い。

「う――そ、それより! あがるならさっさとしなさい。ヨハネに頼みがあるんでしょ?」

 と、バツが悪いと感じたのか堕天使がいきなりくるりと背を向けた。あからさまに素っ気ない態度を演じ、強引に話題を転換してきたことに我は少し驚いたが、すぐに靴を脱ぎ揃えて奥へスタスタと行ってしまう彼女の後を追った。

 おそらく気を遣ってくれたのだろう、つくづく不器用なやつだ――内心でそう思いながら、我はチラと堕天使の背中を見据えるのだった。べ、別に彼
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