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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
266部分:エピローグその四
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エピローグその四

ーバーハラー
 大陸の盟主であるグランベル王国の国王には先の大戦の英雄シグルドとヘイムの直系ディアドラの子であり解放軍の盟主を務めたセリスが即位した。バーハラ城で今まで苦楽を共にしてきた仲間達が一同に集う中王冠をその頭に戴いた彼をユグドラルの民衆は熱狂的な支持で迎えた。特に即位式が行なわれたバーハラ城でのそれは二週間に渡り宴が開かれる程であった。
 シアルフィ=バーハラ家の当主となりグランベル王国の君主となったセリスであったがその人柄はいささかも損なわれることは無かった。
 むしろその統治に良き影響を与えた。アルヴィスの法に基づく平等主義を下地にしながらも寛容と慈愛の心を以って挑み帝国の治世下で虐げられていた多くの者達が救われた。また奴隷制度を全廃し身分や出自に関係なく有能な人材を登用し荒地を開拓し大河を治水し道や港を整備し学校を建てた。そして多くの悲劇のもととなった暗黒教団狩りと異端審問を禁止した。外交は各国との勢力均衡及び友好条約の締結といった現実主義を主体にしながらも聖戦で共に戦ってきた仲間達との友情を大切にしかっての関係を重要視した。これが功を奏しセリスの治世は以降数代に渡ってユグドラルに大きな戦乱は起こることがなかった。百五十年にわたる長い黄金時代の幕開けとなった。
 セリスの側にはいつもオイフェとユリアがいた。やがてアカネイアから美しい姫を妃に迎える。極めて聡明な彼女は彼の治政を助けた。二人から生まれた子供達がユグドラルの新たな歴史を作っていった。
 さてこの聖戦の重要な人物であった。前シレジア王レヴィンとユリウス皇子の二人であるがバーハラの戦いの後姿を消した。一同が気付いた時にはもういなかった。八方手を尽くしたが何処にもいなかった。
 ただユグドラルだけでなくアカネイア、バレンシア等各大陸に緑の髪の賢者と紅の髪の賢者の二人の伝承が多く残っている。
 泉を掘り起こし魔物を封じ流行り病を治していった話が各地にある。二人の賢者はその素性を明かすことはなく事が終われば風のように去っていった。何時しか彼等は神とまで称えられることとなった。
 だがやがてその二人の賢者は姿を現わさなくなった。何処へ行ってしまったのか誰も知らない。唯アカネイアの北かって魔の司祭ガーネフがいた幻の城テーベのさらに北にある氷に覆われた山々に住む未開の部族の中に一つの伝説が残っている。
 氷山の中でも最も高いその山の頂で二人の男が多くの竜達を釣れ光と共に天へ昇って行ったと。
 その二人の男が何者か誰にもわからない。だが一つだけ言えることがある。彼等は自分達が行くべき世界に行ったのである。
 神々の長い戦いの伝承は終わった。人間達の愛の世界の歴史が幕を開けようとしていた。


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