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オズのアン王女
第五幕その一

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                 第五幕  カバキリンの平原
 一行はカバキリン達がいる平原に向かいます、黄色い煉瓦の道を進みながらです。
 その途中で、です。ドロシーはアンに尋ねました。
「ねえ、私達に会った時カバキリンさん達に乗ってたけれど」
「好意で乗せてもらってね」
「運んでもらってなのね」
「そうなの、カバキリンさん達の縄張りの限界までってことで」
「それでその途中でなのね」
「合流出来たのよ」
「そうだったのね」
 ドロシーはここまで聞いてまた頷きました。
「最初道でカバキリンさん見た時はね」
「少し驚いた?」
「珍しいって思ったわ」
 驚きはしませんでしたがそうだったというのです。
「カバキリンさんが煉瓦の道を歩くなんて」
「それでなのね」
「あらっ、と思ったのよ」
 数々の冒険を経験しているドロシーは滅多なことでは驚きません。
「こんなこともあるのね、って」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
「私達がいて」
「これは面白いって思ったわ」
「そういうことね」
「ええ、そして合流出来て」 
 それでというのです。
「よかったわ」
「ええ、思ったより簡単にね」
「確実に合流出来るとは思ってたわ」
「オズマ姫にお互いの場所を教えてもらってるから」
「だからね」
 まさにこのことからです。
「間違いなくって思ってたわ」
「そうだったのね」
「それでね」
 合流出来て、というのです。
「ウーガブーの国にもね」
「行けるって思ってたのね」
「確実にね」
「そこはドロシーね」
 いつも明るく前向きな彼女らしいというのです。
「まあ私もね」
「絶対にって思ってたでしょ」
「だって私も連絡受けたから」
「そうよね」
「それじゃあ今から」
「一緒にね」
「ウーガブーの国に行きましょう」
 二人でお話するのでした、ドロシーの足元にはトトがいて二人の後ろにチクタクと五人の子供達それに大尉がいます。
 大尉は穏やかな表情でチクタクにお話をしていました。
「お久し振りです」
「こちらーーこそ」
「お元気そうで何よりです」
「はいーー大尉も」
「私はこの通りです」
 明るく応える大尉でした。
「いつも通りですよ」
「そうーーですか」
「チクタクさんもですね」
「ネジをーー巻いてーーくれれば」
 その時はというのです。
「安心ーー出来ます」
「いつも通りですね」
「元気ーーです」
 ネジを巻いてくれればというのです。
「このーー通り」
「それがチクタクさんですからね」
「はいーー食べることもーー寝ることもーー必要ありませんが」 
 このことは大尉と同じでもです。
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