DAY BREAK
[15/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
をしている。
体型も髪型もバラバラの彼女達の共通点はメイド服、そして――――全員揃って、不細工だった。
「あちゃ―――――――っ!!!」
メイド作戦は、予定外の事態により大失敗に終わった。
エバルーと個性豊かなメイド達に追い払われたルーシィは、木の陰で膝を抱えていた。メイド服から着替え、それからすぐにしくしくと泣き出したルーシィに、腕を組んだナツが言う。
「使えねえな」
「違うのよ!!!エバルーって奴、美的感覚がちょっと特殊なの!!!!アンタも見たでしょ!?メイドゴリラ!!」
「言い訳だ」
「キィ――――!!!!くやし――――!!!!」
反論するが、悔しさは消えない。
あの流れで出て来たのがとんでもない美女であるとか、美人でなくとも色気に溢れる女性であるとかならまだ納得出来た。が、相手は明らかにルーシィより不細工で色気もない女で、何がどうしてこちらが負けた側なのかが本当に解らない。納得も出来ない。
「こうなったら“作戦T”に変更だ!!!」
「突撃―――!!!!」
「あのオヤジ絶対許さん!!!……てゆーか、そ…それって作戦なの?」
「…パーシヴァル、聞きたい事がある」
《んー?》
ナツ達からもエバルー達からも見えず、けれどこちらからはばっちり見える位置で、ニアは背後の彼に問うていた。
あのメイド達のどこが美しいのか、ではない。どうしてあんなメイド集団にルーシィが負けるのか、でもない。
「どうしてオレは今、お前に目隠しされてるんだ?」
それらを問う前に、ニアはあのメイド集団を見てすらいないのだ。
《いやあ、俺が痛い目に遭わないため?……あんなの見せたなんて知られたら、間違いなくベディとマーリンにどやされるし…》
「痛い目?」
《何でもねーよ…と、もういいか》
目元を覆っていた手が離れる。数回瞬きをして目を慣らし、無音で背後から横に移動したパーシヴァルに目をやった。何やらぶつぶつ言っていたのが気になったが、《気にすんなって》と笑ってはぐらかされる。
「アイツ等は?」
《屋敷に突撃するって。まあそれしか手はないしな》
「結局そうなるのか……困ったな、外より隠れにくい。何よりエバルーとやらに見つかった時が面倒だ」
屋内は屋外より行動が制限される。ここまでは何とかなったが、ここから先で見つかってしまえば全て水の泡だ。外にいるうちに決着がつけばよかったのだが、そうはいかないらしい。
ちらりとパーシヴァルを見やる。視線に気づいた彼がこちらを見て首を傾げ、艶やかな灰色の髪がさらりと揺れた。
《どしたのアーサー、…俺、失敗しないように上手くやるよ?》
「……いや、その辺りは心配してない
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ