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エターナルユースの妖精王
DAY BREAK
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をしている。
体型も髪型もバラバラの彼女達の共通点はメイド服、そして――――全員揃って、不細工だった。

「あちゃ―――――――っ!!!」

メイド作戦は、予定外の事態により大失敗に終わった。







エバルーと個性豊かなメイド達に追い払われたルーシィは、木の陰で膝を抱えていた。メイド服から着替え、それからすぐにしくしくと泣き出したルーシィに、腕を組んだナツが言う。

「使えねえな」
「違うのよ!!!エバルーって奴、美的感覚がちょっと特殊なの!!!!アンタも見たでしょ!?メイドゴリラ!!」
「言い訳だ」
「キィ――――!!!!くやし――――!!!!」

反論するが、悔しさは消えない。
あの流れで出て来たのがとんでもない美女であるとか、美人でなくとも色気に溢れる女性であるとかならまだ納得出来た。が、相手は明らかにルーシィより不細工で色気もない女で、何がどうしてこちらが負けた側なのかが本当に解らない。納得も出来ない。

「こうなったら“作戦T”に変更だ!!!」
突撃(TОTSUGEKI)―――!!!!」
「あのオヤジ絶対許さん!!!……てゆーか、そ…それって作戦なの?」








「…パーシヴァル、聞きたい事がある」
《んー?》

ナツ達からもエバルー達からも見えず、けれどこちらからはばっちり見える位置で、ニアは背後の彼に問うていた。
あのメイド達のどこが美しいのか、ではない。どうしてあんなメイド集団にルーシィが負けるのか、でもない。

「どうしてオレは今、お前に目隠しされてるんだ?」

それらを問う前に、ニアはあのメイド集団を見てすらいないのだ。

《いやあ、俺が痛い目に遭わないため?……あんなの見せたなんて知られたら、間違いなくベディとマーリンにどやされるし…》
「痛い目?」
《何でもねーよ…と、もういいか》

目元を覆っていた手が離れる。数回瞬きをして目を慣らし、無音で背後から横に移動したパーシヴァルに目をやった。何やらぶつぶつ言っていたのが気になったが、《気にすんなって》と笑ってはぐらかされる。

「アイツ等は?」
《屋敷に突撃するって。まあそれしか手はないしな》
「結局そうなるのか……困ったな、外より隠れにくい。何よりエバルーとやらに見つかった時が面倒だ」

屋内は屋外より行動が制限される。ここまでは何とかなったが、ここから先で見つかってしまえば全て水の泡だ。外にいるうちに決着がつけばよかったのだが、そうはいかないらしい。
ちらりとパーシヴァルを見やる。視線に気づいた彼がこちらを見て首を傾げ、艶やかな灰色の髪がさらりと揺れた。

《どしたのアーサー、…俺、失敗しないように上手くやるよ?》
「……いや、その辺りは心配してない
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