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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
S t o r y 1 1 ルギアル・シークティウス
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―闇ギルド 薔薇の女帝(ローゼンエンプレス)の地下牢屋―

「オラァ!」

破壊の鬼―――フラジールの拳をイブキは容赦なくモカに向けて振るう。モカは軽い身のこなしでそれを避ける。

「天竜の砕牙ッ!」

避けた先で待ち構えていたウェンディが風を纏った拳を振るう。が、これもモカは軽い身のこなしで避けた。

「チッ!ちょこまかちょこまかと避けやがって……!」
「へっへーん!鬼さーんこっちら!手ーの鳴ーる方ーへ!キャハハ!」

悔しそうに舌打ちをするイブキを見て、モカは小さな手を叩いて鳴らす。それを見てイブキは「チッッ!」とさっきよりも苛立ちを込めた舌打ちをした。

「ウェンディ!援護頼む!」
「はい!」

ウェンディに援護を頼むと同時にイブキは床を小さく蹴り駆け出し、鋭く尖った黒い爪と鋼色の皮膚で覆われた右手に紫色の光をを纏う。
ウェンディは両手を頭上に掲げると、

「天を駆ける瞬足なる風を、天を切り裂く剛腕なる力を……バーニア!アームズ!」

速度(スピード)強化の魔法と攻撃力強化の魔法をイブキにかけた。
ウェンディの援護のお陰で、イブキは風の速さでモカに向かって駆けていく。

「吹っ飛べエェッ!」

そして攻撃力が強化された拳を力一杯振りかざした。
ドゴオオオオオン!と爆音が轟いた。部屋中の埃が舞い上がり、視界を覆う。

「ケホッ…イ、イブキ…さん……?」
「ケホッ、ケホッ……や、やったの、かしら?」

咳き込みながらウェンディとシャルルは埃の中に目を凝らす。埃の中、徐々に浮かび上がっていく影が2つ―――――。

「なっ…!?」

一つはイブキ。拳を振りかざした時の体勢のまま、オッドアイの目を見開いて硬直している。そしてもう一つは―――――

「ざ〜んね〜んで〜した〜♪」

小さな両手を重ねるように胸の前で広げて、そこからたった今蕾が開いたかのように黄色い薔薇が咲き誇っており、イブキの拳を受け止めていた。

「お花に悪いことする人は、モカが許さないからね!えいっ!」
「お、うわっ!」

掌に咲いた黄色い薔薇をイブキの拳ごと放り投げると、モカの足下に黄色い薔薇のような魔法陣が浮かび上がる。

「さぁお花さんたち!モカと一緒にここにいるあなた達のことを傷つける悪い妖精さんをやっけよう!」

高らかに叫んだモカの言葉に反応するかのように、展開した魔法陣から棘のある鮮やかな緑色の茎がウェンディ達に向かって伸び始めた。

「キャアアアア!」
「うわっ!キモッ!なんだコレ!?」
「ウェンディ避けて!」

しつこく伸び続け、しつこく追いかけてくる茎から2人と1匹は必死に逃げる。が、ここで地下牢屋であるため逃げる範囲が限られている為部屋中に伸びた茎が逃
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