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ブラックアンドホワイト
第三章

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 灰色とも何とも言えない妙な色になった、ガグモはその色を見て実況を意識しつつサギールにこう尋ねた。
「これ何色だ?」
「いや、俺に聞かれてもな」
 サギールも実況を意識しつつ言う。
「ちょっとな」
「表現出来ないか」
「不思議な色だな」
 こう言うしかなかった。
「ちょっとな」
「そうだよな」
「変な色だな」
「全くだな」
「何色だ、これ」
「灰色になるかって思ったら」
「全然違う色だな」
 その得体の知れない何色か言い様がない色にというのだ。
「なったな」
「そうだな」
「変な色だな」
「そうなったな」
 二人で話すのだった。
「何だろうな」
「妙な色だな」
「香りはな」
 それはというと。
「何だ、この香り」
「両方の茶の香りが混ざり合ってるか?」
「いや、潰し合ってるか?」
「悪い香りじゃないけれどな」
 どちらも茶の香りだ、だからこのことは変わらないがだ。
「どっちの香りでもないな」
「変な香りだぜ」
「何だこの香り」
「一体何なんだ」
 こちらもどうとも言えなかった、そしてだ。
 二人でいよいよだ、次の段階に移った。
「よし、次はな」
「飲んでみるか」
「二人でな」
「試し飲みだ」
 やはり実況を意識して話す。
「果たしてどんな味か」
「色も香りも何とも言えないが」
「どっちの味が勝つか」
「負けてるかわかるな」
 今から実際に飲んだうえでというのだ、こう話してだ。
 二人は最初に黒茶と白茶をそれぞれ入れていたコップに混ぜた茶を戻してだ、そうして一緒に飲んでみた。一口飲んだ感想は。
「何だ、これ」
「黒茶の味も白茶の味もするな」
「一緒にな」
「何かどっちがどっちか」
「全然わからないな」
「変な味だな」
「それぞれだと美味いのにな」
 それがというのだ。
「何かな」
「変な感じになってる」
「まずい?いや」
「違うな」
「変な味だな」
「妙な、な」
「美味いまずいじゃなくて」
 言葉で表現すると、というのだ。
「そんな味だな」
「どう言ったらいいんだ」
「妙な味だな」
「そうだな」
 二人で実況しつつ言う、そして飲み終えてから言ったことは。
「もう一回はしたくないな」
「変な感じだったな」
「黒茶と白茶は混ぜるものじゃないな」
「いいことはないな」
 悪いこともないがというのだ。
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