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お留守番
第二章
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「知られてはいけないね」
「散らかってるとか?」
「そこでそう言うの?」
「美也子姉ちゃんそうだろ」
 二人の従姉だ、太介の父の兄の娘で上に兄が二人いるせいか随分と男勝りでガサツな性格をしている。
「いつも部屋片付けてないだろ」
「そういえばそうね」
「あの姉ちゃん見てると」
「女の子のお部屋はっていうの」
「いつも散らかってるだろ」
 ちなみに美也子は部屋に誰が入って来ても何も言わない、そのどうしようもない位に散らかっている部屋をだ。
「それ見たらな」
「私のお部屋もなの」
「別にいいさ」
 太介は素っ気なく言った。
「興味ないから」
「それはそれで随分なもの言いね」
「じゃあ今からゲームするから」
 居間に入ってだ、太介は茉莉花に言った。二人で廊下を進みつつ話をしていたのだ。
「何かあったら言ってね」
「何かってね」
「誰か来たらさ」
「今からお父さん達が帰って来るまでずっとゲームするの?」
「御飯も食べるけれど」
 そちらも忘れていない。
「ラーメンか何か」
「インスタントラーメンね」
「あるのを適当にね」
「インスタントラーメンばかりじゃ身体に悪いわよ」
 茉莉花は居間のプレステを出した、そして座布団を二つ出しつつ太介に言った。
「身体にいいの食べないと」
「具体的には?」
「お野菜も食べないと」
 そこはしっかりと言うのだった。
「駄目よ」
「うちの母さんみたいなこと言うな」
 太介は茉莉花が出したプレスレの電源を入れてよさげなゲームをセットしてそのうえではじめつつ応えた。プレステのはじまりの画面からゲームのOPがはじまった。
「それはまた」
「駄目?」
「何か鬱陶しい」
 太介は本音を言った。
「正直」
「やれやれね」
 茉莉花は自分の座布団に座りコミックの単行本を開きつつ応えた、読んでいる漫画は『神様はじめました』である。
「そんなのだともっと大きくなれないわよ」
「これでも普通位だよ」
「プロレスラーみたいに大きくなれないわよ」
「何でそこでレスラーなんだよ」
 バスケのゲームをしつつ言葉を返す。
「僕はそういうの興味ないんだよ」
「格好いいのに」
 茉莉花は少女漫画を読みつつ言った、視線はそこにあり隣にいる太介もゲームの画面も摩托観ていない。
「興味ないの」
「何でプロレスなんか」
「私好きよ」
「それか茉莉花ちゃんの趣味だろ」
「男の人は大きく強くないとね」
「レスラーみたい」
「タイガーマスクさんみたいに」
 今度はアニメの話もした。
「ああしてね」
「何か変な趣味だな」
「プロレス程格好いい格闘技ないわよ」
「僕格闘技に興味ないから」
「美術部にいて」
「そうだよ、別に」
「そうなのね、けれどとにかくね」
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