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剣聖がダンジョンに挑むのは間違っているだろうか
第9話(白兎side):解放編
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まれた何かだった。僕が布を取ると中から出てきたのは1本の漆黒のナイフだった。


「これはボクとヘファイストス、テレシア君がベル君の為に鍛ち直したナイフさ」
「神様とテレシアさんとヘファイストスさんが…………。へ、ヘファイストス?神様、今ヘファイストスって言いましたか?」
「うん。言ったよ」
「ヘファイストス・ファミリアのヘファイストス?」
「うん、そうだね」
「鍛冶神のヘファイストス様?」
「鍛冶神以外のヘファイストスを僕は知らないよ」
「………そ、そんな凄いナイフを僕なんかが受け取っていいんでしょうか?」
「言っただろう?これはベル君、君の為に鍛ち直されたナイフだって。君以外に受け取る権利のある者なんていないよ」
「………えっと、それじゃあ有難く頂きます」


僕は神様にそう返事を返すと、漆黒のナイフの柄を掴んだ。すると――――


「!!?」


僕の視界がさっきまでいた東区画の通りから見たこともない綺麗な黄色い花が一面に広がり、その花弁が空を舞っている花畑へと変わっていた。


「ここは…、一体……?」
「君が僕の主かい?」
「!?」


僕が突然の環境の変化に唖然としていると、いきなり背後から耳元で声を掛けられた。

迷宮(ダンジョン)のモンスターにも背後を接触する様な距離まで近付かれたことの無かった僕は、驚きの余り前へと跳び、声を掛けてきた対象から距離を取ると同時に振り向いた。

すると、そこには柄も鍔も鞘も無い大剣を背負った10代後半位の男性が立っていた。その容姿は紅髪碧眼で着ている衣服も白の騎士服ということもあって、瞬間的にテレシアさんの血縁と思ってしまうものだった。


「あ、あなたは?」
「僕の名前は■■――」


僕がテレシアさんと似た男性騎士に尋ねると、男性騎士は名を名乗ろうとするが、何故か名前だけが聞き取れずにいた。


「……やっぱり、君にはまだ僕の名前が聞こえないか」
「き、聞こえないって一体どういう―――」
「次に会う時には是非とも僕の名前を知って貰いたいね。僕は君の■■■なのだから」


男性騎士が苦笑いを浮かべながらそう告げると同時に、凄い花吹雪で僕の視界は奪われ、気が付いたら元々いた東区画の通りに立っていた。


「ッ!」
「……どうしたんだい、ベル君?ナイフを握ってからぼーっとしたかと思えば、急に白昼夢を見た様な顔をして」


元の場所に戻ると、つい先程まで僕の目の前にいたテレシアさんに似た男性騎士も姿を消し、今は心配そうに顔を覗き込んで来る神様が僕の目の前にいる。

白昼夢?あの綺麗な花畑とテレシアさんに似た紅髪碧眼の男性騎士は本当に白昼夢だったのかな?それにナイフを握ってからボーっとしてたって、一体ど
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