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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
23部分:愚王の末路その六
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愚王の末路その六

 スレッダー将軍は胸から血を噴き出し落馬した。そして血の海の中小さく呟いた。
「負けたか・・・・・・」
 そして事切れた。
 軍の後方にある本陣で数人の斧騎士団将校達とガルザスに守られダナン王は全体の指揮を執っていた。だがその指揮たるや支離滅裂であり相矛盾する命令を乱発し、戦局を更に混乱させていくばかりであった。
「ぬうう、役立たず共が!」
 解放軍は本陣のすぐ前まで近付いて来た。激しい戦闘がダナン王の前で繰り広げられている。
「くそっ、忌々しいがここは撤退だ」
 王は呻く様に言った。顔が真っ赤である。
「馬をもて。わしは先に城へ帰る。御前達はここで足止めをしておれ」
「陛下、いくら何でも王が臣下を見捨てるなどは・・・ぐうっ!」 
 将校の一人が口から血を噴き出し倒れた。王が切り捨てたのだ。
「貴様等はわしの為だけに戦えばいいのだ。主の為に死ねるのだから本望であろう」
「・・・・・・・・・!!」
 その言葉に絶句する斧騎士団の将校達を尻目に王は馬に乗り一目散に城の方へ駆けて行った。主君の王にあるまじき卑劣な行いに斧騎士団の騎士達は顔面蒼白になっていた。ただガルザスだけが平然としていた。
「ガルザス殿、如何致しましょう」
 ガタガタと声を震わせながら騎士の一人がガルザスに問う。彼はその鋭い濃紫の瞳を解放軍に向けたまま重く低い声で言った。
「知れたこと。戦うまで」
 さらに続けた。
「どうせ何時かは死ぬ身。今ここで死んでも俺にとって別にどうという事はない」
 言い終わると背の大剣の柄に手を掛けゆらりと解放軍の方へ向かって行った。
 目の前では解放軍の戦士達が縦横無尽に剣を振るっている。その中にマリータの姿があるのを彼は認めた。
「・・・・・・・・・!」
 小さい身体を素早く動かし敵を次々と斬っていく。それを見てガルザスは足を止めた。
(ここに来ていたのか)
 ガルザスは誰にも気付かれぬ程ではあるが親が子を見る様な優しい光でマリータを見た。
(まだ未熟だが立派になったな。まさか生きているとは・・・・・・)
 ガルザスは足を完全に止め後ろの騎士達の方へ向き直った。
「気が変わった。俺は解放軍につく」
「ええっ!?」
 騎士達が皆一様に驚いた。だがそれに対しガルザスは構わず騎士達に言った。
「御前達は自分で考えろ。戦って死ぬも良し。降って生きるもよし」
 更に言う。
「だがあの王の為に死ぬのが望みではあるまい。ダナン王とセリス公子、どちらが主とするに相応しいか解かっている筈だ」
 続ける。
「セリス公子に仕えたくないというのならヨハン、ヨハルヴァ王子の下に行けばいい。あの二人は多少変わっているがひとかどの人物だ」
 騎士達は俯き思案の表情を浮かべていた。
「といっても結
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