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オズのアン王女
第四幕その四

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「柿大好きだから」
「ではーーまたこの森にーー寄れば」
「そうじゃなかったらテーブル掛けに出して」
 そうしてというのです。
「食べるわ」
「ではーーその様ーーに」
「是非ね」
 こうしたことをお話してでした、二人で。
 そして果物を全て食べて牛乳も飲んでです。二人でまた出発します。
 ドロシー達も同じで今一行はメリーゴーランド山脈の上を飛行船で通っています、その飛行船の中から下のくるくる回る山脈を見てです。
 大尉はしみじみとしてです、こんなことを言いました。
「あの山は中に入ると大変だけれど」
「それでもね」
「うん、こうして上から見ると面白いですね」
 トトに応えて言います。
「とても」
「そうだよね」
「中にいると」
「僕なんかあちこち飛ばされて」
 トトは自分の小さな身体のことからお話しました。
「大変だよ」
「そうですね、トトは」
「辿り着けてもね」
「向かい側まで」
「凄く大変だよ」
「私もあちこち跳ね飛ばされて」
 大尉も自分のことから考えて言うのでした。
「果たしてどうなるか」
「わからないね」
「そうなります」
 実際にというのです。
「身体がボコボコになりますね」
「大尉さんはブリキの身体ですからね」
 ジョージも言います。
「ですから」
「そうです、身体がボコボコになります」
「傷付かないけれど」
「そうなるんですよ、私は」
「だからですね」 
 神宝も大尉にお話します。
「この山脈は苦手ですね」
「飛行船でないと」
 通れることは通れるにしてもというのです。
「嫌ですね」
「身体がボコボコになるから」 
 カルロスは山脈と大尉を交互に見ています。
「どうしても」
「この飛行船が出来て何よりです」
 大尉は心からこう言うのでした。
「本当に」
「私達もあの山脈に入ったら」
 その場合のことをです、ナターシャは考えました。
「やっぱり跳ね飛ばされ続けて大変ね」
「誰もがそうなりますよ」
 大尉はナターシャにも応えました。
「それこそ」
「うん、ちょっとね」
 それこそです、恵梨香も思いました。
「向かい側まで辿り着けるにしても」
「向かい側までに辿り着けないことはないですから」 
 大尉はこのことは保証しました。
「ご安心下さい」
「ううん、僕もあまりね」
 ジョージは休まずくるくる回っている山達を見てしみじみとして言いました。
「直接入りたくないわね」
「私は入ったことがあったわ」
 ドロシーがジョージに言ってきました。
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