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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第162話 バトル・オブ・ガリア
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「そうしたら次は――」

 今、何を優先すべきか……。少しの逡巡を伴いながらそう考える俺。
 確かに気になる部分は多い。少なくとも俺が居なく成ってからコッチの、世界の大まかな流れぐらいは早い内に知っておくべきだと思う。
 俺が知っている前世での流れと、今回の人生での流れの差に付いて。前世では確か、ゲルマニアは聖戦の前に大きく叩いたので、一番、ガリアが危険な時。ガリア軍の主力を聖地に送った時には動けずに終わった……はず。
 しかし、今回の人生ではロマリアが聖戦を発議するまで表面上奴らが動く事はなかった。
 いや、そもそも前世ではアルビオンとトリステインとの戦争など起こらなかったような気がする。少なくとも、その辺りの記憶が俺にはない。

 もっとも今更、こんな事を思い出してもあまり意味がないのだが。

 ただ、何から聞くべきなのか。右手を自らの顎に当てながら僅かに考える者のポーズ。それは少しの空白。イザベラやダンダリオン以外も何故か期待に満ちた雰囲気を発している奇妙な静寂。
 そして――
 そして、答えは割とあっさり出た。
 矢張り、時間的に近い分から聞いて置くべきか。
 そう考えを纏める俺。多分、(くだん)の空戦の結果を聞けば、去年の夏以降に俺やタバサが動き回った事が無駄ではなかった。そう思えるだけの答えを得る事が出来ると考えたから。
 ただ、実の処、今一番気になっているのはそのような硬派な事などではなく、実はもっと下世話な事。何故か卓の下で繋がれたままの湖の乙女の手が一番気になっていたのも事実なのだが……。

 もっとも、ソレはこれから先に下す判断に取ってそれほど重要なファクターと成る訳はない。

「それなら、リュティス爆撃部隊への対応の結果はどうなったのです?」

 先ずはここからか。繋がれたままの左手に関しては頭の隅に追いやり、そう問い掛ける俺。
 尚、一応、自らの探知ではリュティスへの爆撃の兆候を感じない以上、イザベラの言うようにマヴァールの飛竜騎士団に因ってゲルマニアの航空部隊は壊滅させられたのでしょうが……。

 しかし、俺の問いに対して少し難しい顔を見せるイザベラ。
 ……ん、この反応は?

 何か不都合な事でも起きて居たのか。現在のガリアはそれほど兵の数が多い訳ではない。まして、臨時の徴兵を行って居る訳でもないので雑兵に関しては限りなく少ない。
 おそらく国境から遠い地域に住んで居る民や、貴族たちに取って今回の聖戦と言う戦はまるで別世界の出来事のように感じている事でしょうが……。

 ただ、兵の数が少ないと言う事は少しの損害でも大きな物となる。そう言う事なので……。
 少々不吉な予感。下手をするとある程度の兵の募集ぐらいは行う必要があるかも知れないな、などと考え始める俺。しかし、
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