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外伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
巡航艦ツェルプスト艦長兼第1巡察部隊司令 (その1)
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国暦484年 1月25日 オーディン 軍務省人事局受付  エディット・ダールベルク


今日はとっても楽しみ。ヴァレンシュタイン中佐が来る。あの時の中尉さんが僅か一年で中佐。中尉なのにハウプト人事局長に呼ばれるなんて凄いと思ったけど、まさかミュッケンベルガー元帥の密命を受けていたなんて。

今日もハウプト人事局長が自ら会うなんて凄い。噂では今回の人事も軍務尚書の意向が入っているらしいけど、だとしたらエリート中のエリートよ。やっぱりbPだわ。その他大勢とは全然違う。

外見も可愛いけど将来性もバッチリ。年下っていうのもいいかもしれない。今日はメイクもびしっと決めてきたし、ちょっと話しちゃおうかな。先ずはスマイル、スマイル。


帝国暦484年 1月25日 オーディン 軍務省人事局受付  エーリッヒ・ヴァレンシュタイン


人事局の受付で出頭を告げると、やたらと愛想の良い受付嬢が応対してくれた。この人、前も見たな。でも今日はちょっと化粧濃くないか。結構歳行ってるのかな。そんな風には見えないけれど。

「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン中佐です。人事局より出頭命令を受けました」
「ヴァレンシュタイン中佐ですね。人事局長ハウプト中将閣下がお会いになります。局長室は三階の奥に有ります」

また人事局長か……。警戒されているようだがまあ無理も無いな。俺は礼を言って人事局長室に向かった。新しい任務は何になるのか?

メルカッツ提督は上層部に俺が兵站統括部に戻りたがっていると伝えてくれたらしい。良い人だよな、本当に。まあ艦隊勤務中に何度か体調不良で休んでいるからな。それもあるのかもしれない。

頭にくるのはシュターデンだ。虚弱だとか柔弱だとかわざと聞こえるように言いやがる。特に会戦の後が酷かった。そんな事で軍人が務まるか、とか皆の前でわざわざ言う。あの理屈倒れが! お前は脳味噌が虚弱だろう、いや、貧弱か。

ビューローもベルゲングリューンも最後までよそよそしかった。二人だと良く話すのに俺が居ると全然話さない。最後は俺も二人と話すのは諦めて仏頂面して座っていた。寂しいよな。

俺と話すのはクレメンツ大佐、いや准将くらいのものだった。メルカッツ提督は必要な事以外は喋らない人だからな。あのまま第359遊撃部隊にいたら無口で無表情なヴァレンシュタインになっていたな。

多分、今度は兵站統括部に戻れるだろう。あそこはエリート部署じゃないからな。大体あそこに行きたがる人間なんてまず居ない。俺は目立たない所でこつこつ仕事をするのが好きなんだ。おまけにあそこは雰囲気も良い。

軍務尚書も宇宙艦隊司令長官も俺を出世なんかさせたくないだろう。俺も出世なんか興味ない。目出度く皆の意見が一致したって事だ。兵站統括部万歳! 出来れば第三課が
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