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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
191部分:光を奪われてその四
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光を奪われてその四

「さて、と」
 席を立った。金を払い店を出る。待ち合わせ場所に歩いて行く。
「もしお嬢さん」
 小路から声がした。
「はい?」
 見れば誰かが手招きしてる。皺だらけの老人の手だ。
「誰ですか?」
 蹲りドス黒い赤紫のローブを身に纏った老人がいる。誰だろう、と思った。
「あの、私に何か?」
「うむ・・・・・・」
 その声と共にあげられた顔、とりわけ左の二つの瞳を見てユリアの顔が凍りついた。
「だ・・・・・・れ・・・・・・!?」
 老人はグッグッグッと笑った。獣より魔性の者のそれに近い笑い声がユリアの耳に木霊する。それは彼女の耳に嫌に強く残っていた。
「やはり記憶を失くしておるか。ディアドラめ、最後まで面白い事をしてくれおったわ」
「ディア・・・・・・ドラ・・・・・・!?セリス様もお母上の!?」
 不思議と懐かしくそれでいて愛しさを込めた響きとなって耳に入って行く。ユリアの警戒心が弱まった。マンフロイの手がサッと動いた。
 その動きは老人のそれとは思えぬものだった。何やら粘液の様なドロリとした生物が手から放たれた。
「ああっ・・・・・・」
 その不気味な生物はユリアの身体にへばり付いた。そしてその全身に吸い付き動きを止めた。
「くっ・・・・・・あっ・・・・・・」
 苦しそうにもがく少女を眺めながら老人は邪悪な笑みを顔に浮かべた。
「流石はスライム、よう吸い付くわ。わざわざバレンシアから取り寄せたかいはある」
 老人の背後に黒い点が生じた。それは次第に大きくなりやがては黒い大きな渦となった。
「ユリアよ、来るがいい」
「何故、私の名前を・・・・・・」
 ユリアは苦悶の表情を浮かべながら老人に問うた。
「すぐにわかるわ。二つの忌まわしき血脈を受け継ぐ呪われた落とし子よ。今度こそ我等が神の生け贄にしてくれるわ」
 そう言うとユリアをそのしわがれ爪が禍々しく伸びた手で掴んだ。その力は老人のものではなかった。
「セリス・・・・・・様・・・・・・」
 その声だけが空しく残った。二人は黒い渦の中にその姿を消した。
「ユリアがいない!?」
 城内の大広間で諸将を集め人員の確認と状況把握を行なっていたセリスはその報告に思わず声をあげた。
「ユリアの事だ。何処かで寝ているなんてことじゃないの!?そうだ、もう一度城内を探してみよう、そうしたら・・・・・・」
「いえ、残念ながら事実です。おそらく暗黒教団の者にさらわれてしまったものと思われます」
 オイフェの声は沈痛であった。それは今までのどんな敵の攻撃よりも強くセリスを撃った。
「馬鹿な、それじゃあ僕を狙う筈だ。何故ユリアを・・・・・・」
「光の力を封じる為だ」
 そう言ったのはレヴィンだった。前に歩み出て来る。
「先の聖戦に伝わ
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