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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
13部分:天馬と魔道師と盗賊とその四
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天馬と魔道師と盗賊とその四

「ちっ、ちくしょおおおおお!」
 自暴自棄になり斧を振り被り向かって来る山賊をアミッドは冷静に見ていた。
「馬鹿が」
 渾身の一撃を難無くかわすと山賊の左耳のすぐ側に左手の平を当てた。
「サンダー!」
 雷球が山賊の頭を消し飛ばした。頭部が消えた山賊はそのまま倒れ込み動かなくなった。
「こうなると解かっていただろうにな」
 その時後ろから三人の山賊が現われた。
「また死にに来たか」
 アミッドが雷を放とうとした時上から大きな影が舞い降りて来た。
「!?」
 その影はたちまち三人の山賊を細身の槍で突き倒してしまった。少し驚くアミッドに影は振り向いた。
「私にも美味しいとこ頂戴ね」
「フェミナ」
 アミッドの驚いた声を聞きフェミナはにっこりと微笑んだ。
 アーサー達四人が村に侵入した山賊を蹴散らしていた頃別の村では村の大路でアズベルが数人の山賊を相手に闘っていた。
「エルウィンド!」
 アズベルの右手が横に切り払われると大きな鎌イ足が現われ山賊の一人を両断した。その隣ではカリンが細身の槍を馬上で振り数人の山賊を相手にしている。
「負けないわよ」
 その細い腕からは信じられない程力強く素早い突きが繰り出され山賊を次々と倒していく。
 アズベルが目の前の山賊をエルウィンドで倒した時カリンは自分に襲い掛かる山賊を全て倒していた。ふと隣のアズベルの方を見た時アズベルの背中に斧を叩きつけようとする山賊がいた。
「アズベル君、危ない!」
 だがカリンが悲鳴をあげるより早くアズベルは背中への一撃を振り向きもせずかわし山賊の首のすぐ横を手刀で払った。
「ウィンド!」
 斧を振り下ろしたままの姿勢で山賊は動かなくなった。やがて山賊の首がコマ送りの様にゆっくりと地面に落ちると切り口から鮮血を噴き出し身体も地面に倒れた。
 膝を着きながらも手で服の砂を払いながらアズベルは立ち上がった。そしてカリンの方を見て言った。
「どうしたんですか、カリンさん」
 少し驚いたような顔である。
「あ、別に」
 と言葉を濁すだけであった。外見に似合わぬ強さに驚いていたのはカリンの方だった。
「母様、見てて!」
 ミーシャが天馬を急降下させ民家を襲おうとしていた山賊に銀の剣を振り下ろす。山賊は頭を西瓜の様に叩き割られ倒れる。
「この女、死にやがれ!」
 仲間を殺された山賊が斧を下から振り上げた。ミーシャは斧を持つ手首を斬り飛ばし返し手で袈裟斬りにした。
「そんな攻撃!」
 血走った眼で襲い掛かる山賊達を切り伏せミーシャは彼等をきっと見据えた。その時彼女の脳裏に今までの己の人生が浮かんできた。
 ミーシャはシレジア四天馬騎士の一人ディートバの娘に生まれた。父はシレジアの騎士だった。彼女が生まれてす
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